守備が苦手だった元・阪神の鳥谷敬は、なぜ「ミスをしない選手」になれたのか?

 

個々人は渡されたマニュアルを自分なりにかみ砕いて解釈して、自分の形を構築していく作業を忘れてはいけません

野球界には守備機会という指標があります。刺殺、捕殺、失策といったアウトに関与した守備機会のうち、失策しなかった割合を表す数字です。これは守備がうまい選手だと九割八分から九割九分ぐらいの数値をたたき出します。言い換えれば、一〇〇回のうち三、四回ミスをするだけで九割七分、九割六分となり、下手の部類に入ってしまう

そこで私は「捕球練習」と同様に「打球のはじき方」も練習するようになりました。たとえば試合でゴロを体の右側にはじいてしまって、打者走者をアウトにできなかったとします。このゴロをもし体の左側や送球方向にはじくことができれば、たとえ完全捕球できなかったとしても打者走者をアウトにできるのではないか? そんな考え方で「ミスの質を上げる」努力も始めるようになったのです

送球ミスの原因が捕球時の足の運び方だったのに、周囲から言われるがままに送球練習ばかり繰り返していたって、根本的な解決にはつながりません

「ミスを受け入れる」とは、その対処策を考えること

甲子園は内野部分が黒土なので、グラウンド整備を担当する阪神園芸の皆さんには、よく土の状態を聞いて確認していました。試合前練習が始まる時間のさらに前のタイミングで「今日の土はどんな感じですか?」と聞くことで、試合で飛んでくる打球をイメージしやすくしていたのです

大きな目標があれば、失敗を糧にできる

「ミスをするな」は解決策にならない

たとえば「打球に対する一歩目のスタートが緩くなった分、うまくバウンドに合わせられなかった。だから明日の練習では一歩目のスタートを意識しよう」と具体的に伝えた方が、成長するヒントを与えられるはずです

アウトにするために逆算して考える

分析する時に大切なのは、自分の「ミスの傾向を知る」こと

下半身をうまく使えている選手はプレーの再現性が高くなります

守備力の高い内野手はほぼ間違いなく、飛んでくる打球に加えて走者、味方野手の動きまですべて視界に入っています

この常識は本当に正しいのか。もっとうまくなれる方法があるのではないか。そうやって自問自答を繰り返しているうちに、自分の形ができあがっていく

ミスをしない技術、そしてミスが致命傷にならないための考え方が書かれています。

指導者にとっても教え方の勉強になるので、ぜひ、読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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