国民民主・玉木代表が「自公国」連立政権の夢を見ない最大の理由。衆院選で示された「日本の民意」はどこにあるか?

 

維新も自公と組むなら「パートタイム」が条件に

同じように、維新の会にしても、せっかく大阪府内で小選挙区を「全勝」したのに、仮に自公との連立に入ると、その選挙区のいくつかは自公に渡すというようなことになります。これはできないし、結局は「裏金議員と同じ釜の飯」という見方をされると、党勢が削がれることになります。

現在、本格的なフルタイムの連立工作が進捗せず、パートタイム的な連立が模索されている背景には、そのような構造的・制度的な問題があると理解できます。

パートタイムというのは、まず首班指名の決選投票で何らかの(相手の名前に入れるか、棄権するか)協力を行い、政権発足後は法案だけでなく、予算や条約も含む院内の採決に対して是々非々で臨む、ということです。

閣僚を入れてしまうとフルタイムとなり、参院選での選挙協力が必須になるので、あくまでパートタイムで党の独立性を確保するという話です。どうも、本日ただいまの連立工作はそのような流れになっていると考えられます。

例えばですが、大阪の辻元清美氏が、裏工作をして野田首班の工作に維新を引き込むなどと言っているのも、同じメカニズムです。

立憲と維新は政策が違いすぎるので、フルタイムの連立はできないが、アンチ自公の連立をパートタイムでやるのであれば、何かしら可能性があるのではないか、という話です。

現時点では、立憲(148)に維新(38)を足すと186になります。ここに国民(28)を引き込むと214まできます。首班指名の決選投票で、仮に衆院465議席の中で38名の欠席と棄権が出ると214で首班が取れてしまうのです。

完全な野党でいるのがいいのか、パートタイム連立で政策には是々非々で影響力を行使するのがいいのか。維新にとっては憎い自公を「完全に下野させる」というのは痛快かもしれません。

実際どうなるかは分かりませんが、ともかく現在、パートタイム連立が真剣に模索されている背景には、こうした力学があるわけです。

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