国民民主・玉木代表が「自公国」連立政権の夢を見ない最大の理由。衆院選で示された「日本の民意」はどこにあるか?

 

ほぼ確実に政治的不安定をもたらす「パートタイム連立」

ただ、どう考えてもこのパートタイム連立は、政治的な不安定をもたらします。そして、新政権が崩壊するのであれば、そのトリガーを引くのは連立のパートナーになる可能性が高いわけです。

仮に連立が順調に進んで、政策も最適解で進んで経済も堅調、外交関係も改善できて内閣支持率が上昇という場合も、そうなると多数党の支持率も回復してしまうので、連立のパートナーとしては埋没リスクが高くなります。

ただ、その可能性については組み合わせによると思います。例えば、自公に対して国民民主がパートタイムで連立した場合に、石破が続投し、これを公明と玉木が支え、国民民主も支持するとします。そんな中で、内閣支持率が上昇するのは、玉木氏にはメリットが薄いのです。反対に、立憲の野田首班を維新が支えるのは、自公を叩きのめすというメリットがあるのかもしれません。

国民民主の場合は、例えば「自社さ政権」の村山首班のように、玉木氏が自分で総理になる可能性もあります。ですが、仮にそうなっても、与党連合の中で国民民主という政党は埋没します。

唯一、合理的な選択肢としては、自民党を解体して、新たな穏健保守の大政党に改組し、そこで玉木氏が大派閥の長になって政権を継続するような政界再編のアイディアがあります。ですが、その場合は国民民主の他の議員たちとしては、経歴の薄すぎることが災いして大組織の中では埋没してしまいます。

玉木氏がここ数日、非常に苦慮しているのはこの問題があると思います。とにかく日本の国力維持ということでは、政治を安定させなくてはなりませんが、当面はこれは難しいと言えます。

参院選があまりにも近い中では、フル連立もパート連立も、地獄への道になりかねません。今回の「アンチ自公」選挙で野党としての「おいしい」受け皿の果実を味わった政党、特に維新と国民民主にとっては、非常に選択の難しい状況があると思います。

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