グレタ・トゥンベリに喧嘩を売ってブタ箱入りした輩も
まあ、こういう輩(やから)は日本にも一定数はいますので、いちいち相手にしなければ良いだけなのですが、今回はアメリカの大統領選という世界的なイベントだったため、攻撃する側も規模が違いました。
たとえば、ツイッター(現・X)だけを見ても、ネオナチ団体「アメリカファースト政治行動会議」を設立したアメリカ人のニック・フエンテス氏(26歳)は、フォロワー数が44万人。白人至上主義で女性蔑視のトランプ信者で、これまで数々の過激な差別発言を繰り返して来たため、YOU TUBEのチャンネルやツイッターが「永久凍結」されました。しかし、2022年1月にツイッターを買収したイーロン・マスク氏が、彼の凍結を解除したのです。そのため、フエンテス氏は今回の大統領選でも生き生きと女性蔑視発言を続けていました。
ちなみにフエンテス氏の自慢は、2022年11月に極右ラッパーのカニエ・ウェスト氏とともにトランプ氏に招待されて、プライベートのディナーを楽しんだことです。このディナーについて、ニューヨーク・タイムズ紙は「アメリカのユダヤ人にとってアメリカ史上最も不快な瞬間」と報じました。
しかし、ニック・フエンテス氏など比べ物にならないのが、アメリカの元キックボクサーで実業家のアンドルー・テイト氏(37歳)です。女性蔑視、人種差別、LGBT嫌悪を堂々と公言しているテイト氏のツイッターのフォロワー数は、なんと1,034万人、アメリカとイギリスの国籍を持っていますが、弟のトリスタン・テイト氏とともに、レイプや売春斡旋や人身売買など複数の容疑で両方の国で起訴されているため、2017年にルーマニアに移住して潜伏しましたが、ルーマニアでも複数の容疑で捜査対象となりました。
しかし、2022年12月のこと、女性蔑視を自称するトランプ信者のアンドルー・テイト氏にとって、絶好のターゲットである気候変動活動家グレタ・トゥンベリ氏に、彼はツイッター上でちょっかいを出したのです。アンドルー・テイト氏は自分が所有する30台以上のスーパーカーの台数と膨大な排気量を自慢することでグレタ・トゥンベリ氏を挑発し、「自分の炭素排出量を送ってやるからメールアドレスを教えてほしい」と彼女をからかいました。
するとグレタ・トゥンベリ氏は「それなら、smalldickenergy@getalife.com(ちっちゃなチンコのエネルギー@人生をやり直せ)にお願いします」とリプライしたのです。
これで頭に血が上ってしまったアンドルー・テイト氏は、今度は自分を映した動画に切り替えて、動画上でグレタ・トゥンベリ氏をからかい始めました。しかし、この時点でもアンドルー・テイト氏には500万人を超えるフォロワーがいましたし、グレタ・トゥンベリ氏のフォロワー数も500万人を超えていました。この2人の有名人による下品なネット上のケンカは、あっと言う間に拡散され、それはルーマニアの捜査当局の耳にも入ってしまったのです。
そして、アンドルー・テイト氏の動画に映り込んでいたテーブルの上の宅配ピザの箱のデザインが手掛かりとなり、彼の潜伏先である首都ブカレストの高級マンションが特定され、翌日、アンドルー・テイト氏は弟とともにルーマニア警察に身柄を拘束されたのです。そして、テイト兄弟は有罪判決を受けて刑務所に送られましたが、刑期はわずか3カ月で、2023年3月末には釈放されました。
この記事の著者・きっこさんのメルマガ









