報知映画賞にまつわる出来レース疑惑を『週刊女性PRIME』が報じたのは先月末のこと。この記事は大手ニュースポータルにも配信され、多くの読者に閲覧されたのですが、その後、なぜか削除されてしまったようです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが騒動の背景を詳しく解説します。
歴史ある国内映画賞にまさかの“出来レース”疑惑!?
『週刊女性PRIME』が、歴史を持つ報知映画賞の今年の受賞者に異議を唱えていました。
「『ただの出来レースじゃん』横浜流星、吉岡里帆出演の映画が“公開前”なのに映画賞受賞で衝撃の声」というタイトルのその記事は、11月29日に公開された映画『正体』が、作品賞、主演男優賞、助演女優賞を受賞したことに対する物言いでした。
記事を要約すると、「選考対象期間(2023年12月1日~2024年11月30日)内で2日しか公開期間がないのに、どうして3賞も獲れるのか。出来レースじゃん」という内容です。同映画賞を主催する報知新聞社は「不正は一切ありません」とコメントするのですが…。
横浜流星の受賞が目立つのは偶然か必然か…
そこで、報知映画賞のこれまでの受賞作品・受賞者を振り返ってみました。
今年が第49回の開催になりますが、第47回の助演男優賞には『流浪の月』で横浜流星、昨年の第48回では『ヴィレッジ』『春に散る』から横浜が主演男優賞を受賞しているのですね。
ウィキペディアによると、選考方法は、各賞ともファン投票上位から報知映画賞事務局がノミネート作品を決め、さらにそれを選考委員会が選定するとあります。ちなみに今年の選考委員は、
- 映画評論家の渡辺祥子さん、荒木久文さん
- 『読売新聞』文化部・木村直子さん
- 『幻冬舎』見城徹社長
- 『サイバーエージェント』藤田晋社長
- 元『日本テレビ』、現フリーアナウンサー、松本志のぶさん
- YOUさん
- 映画コメンテーター・LiLiCoさん
だそうです。
限られた人たちだけが観られる試写会や、報知映画賞事務局での評判が高かったことから『正体』がノミネートされたのでしょうが、もう一段階を経るはずのファン投票が、一般公開からたった2日で凄まじい勢いで増えたのでしょうか…。
横浜流星は“数字が取れない役者”、映画界での存在感は薄い
有名映画賞で助演を1回、主演を2回と、3年連続で受賞したとなれば、“横浜流星は邦画に欠かせない存在”と言っても過言ではないはずですよね。
しかし、残念ながら数字的には、横浜にそのような存在感はまったく感じられません。
『ヴィレッジ』は約1億3,000万円、『春に散る』は約2億5,000万円…加算しても3億8,000万円というの興行収入は、“赤字が出るか出ないか、ギリギリの興収”と言えるかもしれません。
昨年は『ゴジラ-1.0』もノミネートされていましたが、国内マーケットを比較すれば、横浜出演の興収は『ゴジラ-1.0』の約20分の1でした。
もちろん、映画賞は興収だけで判断されるものではないにせよ、3年連続で映画賞の主要部門で受賞する役者にしては、“数字を持っていない”と判断されても仕方のないところでしょう。
某所からの圧力か?週刊女性PRIMEの元記事が“謎の消滅”
報知新聞関係者か選考委員の方々に、横浜流星推しの面々が揃っているのかもしれませんが、今回の主演男優賞受賞は、来年1月5日から放送予定の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』にむけて何とか弾みをつけたいと思っているNHKや、横浜のスタッフには嬉しい限りでしょうね。
『正体』は公開から3日間で、観客動員数は約16万6,000人、興収は約2億円と、横浜の出演作品にしてはこれまでにない好ダッシュ…ヒットとなりました。
是非このままの勢いで、“もう誰にも、数字を持っていないなんて言わせない!”となることを期待しつつ、来年の大河も含め、見守っていきたいと思っています。
追伸:今日(12月4日)、『週刊女性PRIME』を覗いてみたのですが、なぜだか元記事は削除されたようで、見ることができなくなっていました…。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
image by: 横浜流星 | スターダストプロモーション