昨年末のJALへのサイバー攻撃にも中国が関与か
中国による見えない攻撃は海底だけではありません。ネットワーク上でも活発に中国からの攻撃はあります。報道によれば、台湾政府機関へのサイバー攻撃は、1日平均240万回とのことです。詳しくは以下、報道を一部引用します。
台湾の国家安全局は5日、台湾政府機関に対する昨年のサイバー攻撃が1日平均240万回と、前年の平均120万回から倍増したとの報告書をまとめた。大半が中国のサイバー部隊による攻撃だったとしている。
通信、輸送、防衛分野への攻撃が多かったという。
報告書は「攻撃の多くは効果的に検知・阻止されたが、攻撃の増加は中国のハッキング活動が一段と深刻になっていることを示している」としている。
中国は以前からハッキングへの関与を否定しているが、外国政府は中国による攻撃を頻繁に非難。米財務省は先週、中国のハッカー集団が同省のコンピューターに侵入し、データを盗んだと発表した。
台湾国家安全局の報告書によると、中国によるサイバー攻撃の一部は台湾周辺での中国の軍事演習に合わせて行われた。台湾の交通機関や金融機関のウェブサイトへのアクセスを妨害するDDoS(分散型サービス妨害)攻撃などを仕掛けたという。
報告書は「嫌がらせと軍事的威嚇を強化する」ことが狙いだと主張。中国が機密情報を盗むため、台湾の公務員の電子メールを標的にしているとの見方も示した。
報告書によると、中国のサイバー部隊は、幹線道路や港湾など台湾の重要インフラに侵入するため、持続的標的型攻撃(APT)やバックドアソフトといった技術も利用。
報告書は「台湾の政府業務を混乱させ、政治・軍事・技術・経済分野で優位に立つことを目指したものだ」としている。
● 台湾政府機関へのサイバー攻撃、1日平均240万回 中国の関与指摘
DDoS(分散型サービス妨害)攻撃といえば、去年末、日本航空がこのサイバー攻撃を受けて、帰省客や旅行客で混雑する空港が混乱の渦に巻き込まれました。DDoS攻撃とは、「攻撃者が複数のパソコンなどから一気に大量のデータを相手サーバーに流し込み、不具合を起こさせるサイバー攻撃」。日本でもこの攻撃による被害はとても多いとのことです。
「国内の政府機関や企業へのDDoS攻撃は去年、およそ896万件も起きています。今年5月にJR東日本「モバイルSuica」などが使えなくなったのもDDoS攻撃によるものでした。
26日には三菱UFJ銀行もDDoS攻撃を受け、一時ネットバンキングにログインしにくい状態になりました。
● 日本航空にサイバー攻撃 システム障害6時間、年の瀬の空港が混乱
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