萩生田氏が「石破おろし」を仕掛けるのはいつか?
それでも、萩生田氏が本気で高市氏をバックアップし、「石破おろし」を仕掛けるとしたら、どのタイミングになるだろうか。
党内で反乱が起こる可能性が高いのは、選択的夫婦別姓の法案が提出される時だろう。2月末に新年度予算案が衆院を通過し年度内の成立が確定すれば、その後に議員立法で選択的夫婦別姓法案が提出される可能性が浮上している。
立憲民主党、公明党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党は賛成の立場。自民党と日本維新の会は慎重姿勢だ。しかし、もともと石破首相は前向きだったことから、最終的には自民党も賛成にまわって成立するのではないかと保守派の論客たちは疑心を深めている。
2023年6月に成立したLGBT法を、当時の自民党政調会長、萩生田氏が阻止できなかったことを念頭に、櫻井氏は選択的夫婦別姓法案についてこう言い放った。
「やろうとしているのが石破さんや野田さん。迅速に強力に反対していただかないと、萩生田さんへの期待もしぼむと思う。コアなる支持者の自民党離れが進み、自民党が崩れちゃう」
萩生田氏は「(夫婦別姓ができずに)どういう分野が困っているのかということをきちんと聞き、穴を埋めていけば、別に法律を作る必要はないのではないか」と語る。
だが、統一教会や裏金の問題で自民党の腐敗を象徴するような存在となった萩生田氏にどれだけの影響力が残っているのだろうか。
しかも、昨年の衆院選に立候補した旧安倍派の50人のうち当選したのは22人にすぎない。安倍派5人衆のうち総理への最有力候補と目されたころの勢威は明らかに衰えている。持ち前の腕力で巻き返しをはかろうとしているところだろうが、保守論壇からの期待の声は、嬉しいというよりむしろ相当なプレッシャーになっているに違いない。