石破首相と関係回復も?気になる麻生太郎氏の動向
そこで、気になるのは党最高顧問という名ばかりのポストに甘んじている麻生太郎氏の動向だ。高市氏に対しては、昨年の総裁選で支援し、敗れた後も次に向けて準備するようアドバイスしていたが、“同盟関係”が今も続いているのかどうか。
【関連】「高市、飲み会に行け」麻生太郎氏の倒閣作戦に酒がいる理由。石破総理が自民“党内戦争”を制する最低条件とは?
このところの麻生氏は、かつてあれほど毛嫌いしていた石破首相との関係を修復しようとしているようにも見える。
安倍政権で総理補佐官や党総裁外交特別補佐をつとめトランプ氏周辺にパイプのある側近、薗浦健太郎氏(元衆院議員)の手配により、いち早く自ら渡米してトランプ氏に会ってきたかと思うと、こんどはトランプ氏夫妻との会食を希望する安倍昭恵氏の渡米に薗浦氏を同行させ、「石破首相に会いたいと思っている」というトランプ氏の発言を引き出した。
これを受けて、石破首相は昨年12月24日、麻生氏と国会内で30分ほど面会し、トランプ氏へのアプローチについてアドバイスを受けている。首相のほうから丁重に相談を持ちかけられたのだから、悪い気はしないだろう。
一部のメディアでは、麻生氏による石破首相への嫌がらせだとか、揺さぶりだとかいう声が上がっているが、それよりも麻生氏としてはとりあえず首相に恩を売っておきたいという気持ちが強かったのではないだろうか。
今後の政局がどう転んでも対処しやすいからだ。つまり、麻生氏の腹のうちはまだ決まっていないと考えたほうがいい。
萩生田氏にすれば、岩盤保守層の期待に添いたいのは山々だが、今のところ手がかりがみつからないというのが本音だろう。それでも、政界の一寸先は闇だ。今夏に参院選をひかえ、石破首相を引きずり下ろしたいという空気が徐々に高まってくれば、何らかのきっかけで状況はあっという間に変化し、萩生田氏や高市氏が反乱ののろしをあげる時が来るかもしれない。
だからといって、自民党の権力争いが政治刷新につながっていくとは思えないのが、われわれ国民としてはつらいところだ。
【関連】櫻井よしこ「大炎上」に見る保守言論の衰退。なぜネトウヨは女教祖を見捨てたか?愛国・韓国・カルト三店方式の限界点
この記事の著者・新 恭さんを応援しよう
【関連】UFOと戦争、あるいは“空飛ぶ円盤”櫻井よしこと三島由紀夫の「愛国」をめぐる相違について
新 恭さんの最近の記事
- 石破総理が恐れる「維国同盟」と自民密室政治の崩壊。吉村氏が玉木氏に急接近…石丸伸二氏は令和日本の坂本龍馬となるか?
- 「ラスボス」は過大評価、宮澤自民税調会長の正体。実態は財務省配下の小ボス…103万円の壁バトルで敗北を悟り震えている
- 「維新を乗っ取り玉木を出し抜く」前原誠司の野望は実現するか?めざすは総理、負ければ冷や飯、政権奪取を阻む過去の不義理
- 国民民主・玉木氏の「企業・団体献金禁止」めぐる本音と建前。自民への配慮と野党一致、いいとこ取りはどこまで可能か
- 斎藤知事の再失職を願うマスコミが「語りたくない事実」…PR会社社長・折田楓氏はなぜ勘違いピエロになったのか?
- 斎藤元彦現象が示す「有権者の飛躍的リテラシー向上」既存メディアはSNSや立花孝志ではなく偏向報道の誘惑に敗れ自壊した
- 故・石井紘基氏を殺したのは“誰の自由”か?自民党政策活動費と特別会計の深い闇
image by: 萩生田光一 公式Facebook