【精神科医・和田秀樹】フジテレビ復活の鍵は「高齢者向け番組」老害排除と真逆の老人優遇がTV業界を救う理由

tokyo, japan - april 04 2020: Aqua City shopping centers on the island of Odaiba with the building of the Japanese television channel Fuji TV famous for its Hachitama observation area in spring.
 

「シニアのためのフジテレビ」に生まれ変われるか?

フジテレビの株価が上がっているらしい。

おそらく今の経営陣が一掃され、新しい経営陣でフジテレビが新しい局に生まれ変わることへの期待のためとされているが、確かに清水新社長がアラレちゃんやドラゴンボールをプロデュースした伝説的アニメプロデューサーだったから、バラエティーとトレンディードラマのフジテレビから、アニメのフジテレビに生まれ変わる可能性はないわけではない。

アニメは当てれば、世界で売れるからフジテレビの企業価値も爆上がりするかもしれない。それだけの度胸が清水新社長にあるかが問われるところだろう。

ただ、仮にそうなってもバラエティー番組やドラマを作り続けないわけにはいかない。認可条件を変えない限り、アニメ専門局にはなれない。

その際に、現場の文化が今と変わらなければ、同じような事件は起こり続けるだろう。タレント側からすれば、とくに若いタレント側からすれば、枕営業をいとわない人間はいくらでもいるし、その誘惑に急に強くなるということは考えられない。

しかし、SNSの時代、文春砲でなくても、またフジの社員が若いタレントとホテルに入ったとか、いつ撮られるかわからない。その程度のことで、反省していないと言われ、スポンサーは離れていく。

ここで私が提言したいのは、フジテレビがシニアのフジテレビに生まれ変わることだ。多くのテレビ局が高齢者を置き去りにして、逆に高齢者差別的な言辞を繰り返す中、高齢者が見たい番組を作り、高齢者に共感的な対応をとることができれば、局の特色も出せる。

前回も問題にしたように若い経営陣になったほうが、高齢者いじめとか、高齢者排除がかえって進んでしまうだろう。

若い人に迎合しても、視聴率はたいして取れないし、若い人に人気のあるタレントが取り合いだから、今回のような過剰接待も起こる。これでは刷新は無理だ。

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