「刑務所で暮らしたいから罪を犯す日本の高齢者」という話題が中国でバズっている

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日本の高齢化に関する悲劇的な社会問題が中国でバズり、ネットユーザーの間で議論を巻き起こしているそうです。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、香港サウスチャイナモーニング紙の記事を引用しながら、中国のSNSで拡散されたという日本の深刻な問題を紹介しています。

中国でバズっている日本の高齢化問題

日本の高齢化の悲劇的な問題について、CNNが報道し中国のソーシャルメディアに転載されたニュースがあります。

そして中国のネットユーザーの間で議論を巻き起こしています。

「孤独死は嫌:日本の高齢女性、刑務所を求めて法律を破る」との題です。

香港サウスチャイナモーニング紙2月1日の記事を見ましょう。

記事抜粋

わずかな年金で暮らす絶望した高齢女性は、刑務所の「安定」を外での生活よりも選ぶと語る。

刑務所でただで暮らせるように、と故意に法を破った日本の祖母が、中国のソーシャルメディア上で活発な議論を巻き起こす一方、同国の高齢化問題にスポットライトを当てました。

このニュースは、東京北部にある日本最大の女子刑務所、栃木女子刑務所から発信されました。この施設には約500人の受刑者が収容されており、その5人に1人が高齢者です。

刑務所の職員は高齢受刑者に対して入浴や食事などの基本的な生活動作の補助を行っており、まるで老人ホームのような状況です。

施設の日常は厳格に管理されており、受刑者は朝6時に起床し、夜9時には消灯となります。

窃盗で2度服役した経験を持つ81歳の女性で、アキヨという名前しか知られていないこの女性は、刑務所の中で思いがけない安定感を見出しました。

「この刑務所には本当に良い人たちがいます。 私にとって、この生活が最も安定しているのかもしれません」と彼女は言いました。

アキヨさんは、60代で食料品を盗んで初めて刑務所に入れられ、その後、わずかな年金を頼りにしなければならなくなったため、絶望感から再び食料品を盗んでしまいました。

「軽い気持ちで万引きをしてしまったのです。経済的に安定していて、快適な生活を送っていれば、絶対にそんなことはしなかったでしょう」と彼女は語りました。

アキヨもまた、家族のサポート不足に苦しんでいました。

服役前、彼女は43歳の息子と暮らしていましたが、息子はたびたび彼女に出て行ってほしいと口にし、彼女の絶望感を募らせました。

「もうどうなってもいいという気持ちでした。生きている意味がない、死にたいという気持ちでした」と彼女は語りました。

アキヨさんの話は、高齢化社会を迎えた日本が直面する課題を浮き彫りにしています。

政府の統計によると、2022年には、高齢の女性受刑者の80%以上が窃盗で収監されており、65歳以上の受刑者数は2003年の4倍近くに上っています。

栃木女子刑務所の職員は次のように述べています。

「多くの高齢受刑者にとって刑務所は外で孤独死するよりも好ましい場所なのです。高齢受刑者の中には、可能であれば喜んで毎月2~3万円を支払って刑務所に留まりたいと考える人もいます」

解説

日本のソーシャルメディアで拡散してもよいような話が、中国でバズっています。

このような状況はまだまだ広がりそうです。

こういった現状にしっかりと向き合い、議論して、政策立案すべき時でしょう。

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

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