中居正広フジテレビ問題で浮き彫りに。タレント依存のCM業界が抱える“一瞬でブランドイメージ大崩壊”リスク

 

日テレが開発中の「リアルタイム広告」が変えるCMの常識

日本のテレビ広告業界は、デジタル技術の進化に伴い、大きな転換期を迎えている。その最前線にあるのが、日本テレビが開発中の「ARMプラットフォーム」だ。このシステムは、地上波テレビ広告にリアルタイム取引(プログラマティック取引)を導入し、放送直前まで広告素材を決定できる革新的な仕組みである。

さらに、数理最適化技術を活用して広告枠と契約の紐付けを自動化し、より効率的な広告配置を実現する点も注目に値する。従来の視聴率に加え、広告が視聴された回数(インプレッション)を指標として採用することで、地上波とインターネット広告の統合運用が可能になる(*1)

従来のテレビCMは、広告素材の変更や運用の柔軟性に限界があった。しかし、ARMプラットフォームでは、放送の数秒前まで広告を即時に差し替えることができるため、天候や視聴率の変動、社会情勢に応じて最適な広告を瞬時に配信できる。

このようなリアルタイム広告の流れは、海外でも加速している。特に米国では、NBCユニバーサルなどの大手メディア企業が「プログラマティックテレビ」を導入しており、これはシステムを介して広告枠を売買する仕組みで、テレビの広告分野でも活用されている。AIを活用して視聴者の属性や視聴履歴に基づくターゲティングを強化している。

▽日本テレビの「AdRM-Exchange」の主な特徴と影響

  • 地上波広告
  • 2025年4月からのサービス開始を予定
  • 従来のGRP取引からインプレッションベースの取引へ移行
  • 放送直前(最短3秒前)まで広告素材の決定が可能
  • RTB(リアルタイム入札)を受け付ける
  • 性別、年代を指定した入札が可能
  • テレビ広告の運用性向上やクロスメディア戦略の促進を期待
  • 広告主にとってより柔軟で効率的なキャンペーン設計が可能に
  • 地上波とデジタル広告の統合的な運用を実現
  • 広告効果の最適化や透明性の向上を目指す

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引用・参考文献

(*1)「地上波広告におけるリアルタイムなプログラマティック取引を実現 『ARMプラットフォーム』を2024年度末にリリース予定 『視聴率』に加えて『インプレッション』の指標化を検討」日テレホールディングス 2023年11月27日

(『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』2025年2月16日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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