中国で“革新的”な「分離式空飛ぶクルマ」が発表される。今までと何が違うのか?

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中国で開発された、飛行も走行も自由自在な『分離式空飛ぶクルマ』が特許を取得し、正式に公開されました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国の自動車メーカー奇瑞(Chery)と清華大学のラボの協力プロジェクトで開発された画期的なこのクルマについて詳しく紹介しています。

奇瑞、清華大学と三つのモジュール「分離式空飛ぶクルマ」特許

中国地方国有メーカー奇瑞(Chery)と、清華大学のインテリジェント・トランスポーテーション・ラボが共同で申請した「分離式空飛ぶクルマ」の特許が正式に公開された。

この特許は、Cheryと清華大学の協力プロジェクトに基づいて開発されたもの。

Cheryは2024年10月に開催されたグローバル・イノベーション・カンファレンスで、三体複合翼飛行車が初飛行に成功したことを発表していた。

三つのモジュール

一般的な一体型の空飛ぶクルマとは異なり、Cheryと清華大学の特許ではモジュール式の分体型設計を初めて採用し、革新的な「三体ドッキング機構」を導入した。

飛行モジュール(プロペラと翼を含む)、キャビンモジュール(座席部分)、走行モジュール(地上走行用の車輪を含む)からなる三つのモジュール。

飛行モジュールとキャビンモジュールを接続すれば飛行機形態となり、走行モジュールとキャビンモジュールを組み合わせれば自動車形態となる。

いわば「レゴ」のように柔軟に組み立て可能な仕組みになっている。

飛行・走行が自由自在

このユニークなモジュール式デザインにより、この空飛ぶクルマは実際のニーズに応じて形態を切り替えることが可能となっている。

飛行モジュールを装着すれば離陸が可能となり、飛行後は自動で走行モジュールとの接続を解除。

着陸後は再び走行モジュールと接続し、地上走行へ移行する。

この設計により、空飛ぶクルマは従来の「離陸が難しく、着陸が遅い」といった課題を克服し、実用的な利用シーンに適応可能な未来のモビリティとなる可能性が高まった。

飛行・走行も完全自動化

また、今回画期的なのは、走行も飛行もすべて自動運転化し、操作なしによる対応を想定していること。

走行はともかく、飛行にはそれ相応の訓練時間が必要だったが、いわゆる操縦の難易度を大幅に下げた。

実際に車内には従来のハンドルやアクセルなどの制御装置を廃止することが想定されている。

都市部の交通渋滞を緩和する新たなソリューションとしての役割も期待されている。

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