トランプとゼレンスキー「交渉決裂」で迎えた大きな転換点。もはや戻らない世界秩序の中で日本はどう生き残るべきか?

 

ここに来て悪化し始めた中ロの関係。ウクライナ戦争の推移

トランプ大統領とゼレンスキー大統領が2月28日にホワイトハウスで会談したが、ゼレンスキー大統領が米国のロシアに対する外交姿勢を疑問視する発言したことで、鉱物資源の権益をめぐって合意文書への署名には至らなかった。

この影響は大きい。ウクライナへの米国からの軍事支援が無くなり、欧州からの援助だけになるし、米衛星からの情報やシギント等も無くなると、軍事的な影響は大きくなる。

ドイツの首相候補メルツ氏は、長距離巡航ミサイル「タリウス」の供与を表明したが、徐々に米国兵器からドイツ兵器に置き換える必要になる。しかし、米国のような備蓄がないので、潤沢にウ軍に提供できるかが試されることになる。

トランプ氏は、「取引するか、われわれは撤退するかだ」と述べたので、ウクライナや欧州から撤退になる。ロシアとの停戦仲介もなくなり、公然とロシア側に立つことになる。

米国は、ロシアと同じような独裁国家になるということである。トランプ氏が王様になることであり、米国を民主主義の停止に向けて文化大革命を行うことになる。ということで、トランプ政権1ヶ月半で自由陣営の崩壊が確定した。

カナダは、25%関税を掛けられ、米国の51番目の州になれと言われ、欧州と一緒に行動する方向で離米が確定した。豪州やニュージーランドもウクライナ側に着いた。ファイブアイからカナダではなく、米国が抜けるようだ。

欧加豪日は対ロシアで、米国の力を借りずに打ち負かす必要になった。ロシアはすでに、大きな戦力を失い、ウ軍を打ち負かすことができない状態であり、どこまで、戦争を継続できるかである。

ウ軍も同様であり、欧州からの武器支援や資金援助で、どう戦い続けるかになる。

その中、欧州各国、カナダ、豪州は、米との会談決裂のゼレンスキー氏支持を表明している。NATOから米国が抜ける可能性もあり、その時はウクライナを改正NATOに加盟させることができるようになる。

改正NATOからは、ハンガリー、スロベニアも抜かすことだ。対ロ防衛機関化が必要だ。

独首相候補のメルツ氏は「米国からの独立を達成することが優先事項になる」と述べたが、早期に欧州から米国の影響を除外する必要になりそうだ。ドイツは核兵器を持っていないので、核兵器開発ができるまで、核を持つ英仏から核兵器を譲渡してもらうようである。

どちらにしても、英仏独は米国からの軍事独立をするために、軍事費を増強することになる。

一方、ロシアは勝手に対立していく米国と欧州の様子に笑いが止まらないように見える。しかし、形の上でのロシアの勝利での戦争が終われなくなり、今後も戦争継続で、ロシアの衰退が止まらないことになる。

もう1つ、中国は、ドローンの部品をポーランド経由でウ軍に提供しているので、ロシアは、中欧貨物列車の荷物検査を厳重に行い始めた。中ロの関係が悪化し始めているようだ。その分、中欧は緊密化する。

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