NTTドコモがdカードの新たなラインナップを発表し、さらには都市ガス取次販売サービスも開始すると発表しました。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』ではケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんが、ドコモによるクレジットカードを中心とした囲い込みについて言及。他キャリアがドコモの域にまで達することができるのか注視しています。
NTTドコモが29歳以下向け「dカード Gold U」を開始—-「ドコモ ガス」も初めて「囲い込み」をさらに強化
NTTドコモはdカードの新たなラインナップとして「dカード GOLD U」の申し込みを開始した。
29歳以下が対象で、年会費3300円とリーズナブルなのが特徴。それでありながら、日常の買い物やドコモでんき、eximoポイ活におけるポイント付与率はGOLDと同等だ。
年会費も22歳以下もしくは年間利用額は30万円以上であれば年会費相当額の減算が行われるため、実質、年会費が無料になる。
やはり、NTTドコモはクレジットカードが圧倒的に強く、まさに「横綱相撲」をしている感じが強い。
1100万件以上を突破しているdカードGOLDを軸にPLATINUMとGOLD Uを展開。PLATINUMも昨年11月末に開始したにもかかわらず、すでに34万7000件を突破しているから驚きだ。
前田義晃社長が「3ケタは狙いたい」と話していたが、会員数の100万件突破も時間の問題だろう。
クレジットカードの発行枚数においては楽天カードが3144万枚と国内最高峰を誇っているが、その多くが「年会費無料」だったりする。年会費1万1000円をキチンと取りつつ、1100万件を超えているNTTドコモの「顧客層の強み」が、クレジットカード事業では特に顕著なのだ。
楽天カード、KDDI、ソフトバンク共にGOLDカードに注力しているが、なかなかNTTドコモの域までには達していないように思える。
NTTドコモは今週、都市ガス取り次ぎ販売サービス「ドコモ ガス」を今年6月より開始すると発表した。東京ガスおよび関西ガスのエリアにて「ドコモ ガス」を提供する。利用料金は東京ガス、大阪ガスと同等の料金になるという。
プランも東京ガスと大阪ガスが提供しているものと同じものが用意される。もちろん、ドコモでんき、さらにドコモ ガスにすることで、ポイント還元がアップする特典が盛り込まれている。
個人的にも、我が家は東京ガスの「エネファームで発電エコぷらん」を契約しており、そのままドコモ ガスでも同じプランを継続できるという点に魅力を感じている。
こうやって、回線契約からクレジットカード、さらにでんき、ガスといったようにポイント還元に魅力を感じて、契約するサービスを増やすことで囲い込まれていくのだろう。
ただ、KDDIやソフトバンク、楽天もガスの取り扱いを行っているが、かつての電気のように積極的に商材をアピールしたのに比べるとかなり微妙な感じもする。
世間的に電気に比べてガス代への関心があまり高くないのか。
いずれにしても、4キャリアによるクレジットカードを中心とした顧客の囲い込み合戦はさらに競争が激しくなっていくだろうし、その点、クレジットカード事業に強いNTTドコモとしては「いかに逃げられないか」の戦いになっていきそうだ。
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