財務省が独占する「予算策定権」と「徴税権」の2大権力
国家には、2つの大きな権力があります。それは「予算策定権」と「徴税権」です。
国家というのは、財政予算がないと運営できません。軍事にしろ、外交にしろ、内政にしろ、財政予算があってのことです。それは、古代国家でも現代国家でも同様です。国家は、財政予算があって初めて成立するものです。
また国家予算は、その国の経済においてもっとも大きな金額を占めています。一国の経済において最大のインパクトを持っているのです。この国家予算を確保するためには税金を取り立てる、つまり徴税しなければなりません。徴税の権力を持っているからこそ、国家というのは存在しうるのです。
だから、税金を集める「徴税権」と、その税金の使途を決める「予算策定権」というのは、国家の2大権力といえます。財務省は、この国家の2大権力を2つとも持っており、これが様々な面で日本社会を悪くしています。
建前ではなく現実を見る人々が財務省解体デモに参加している
もちろん本来なら、予算は国会が決めるという建前になっています。
が、日本の法律では、国の予算は一から十まで国会で決める、という現実離れしたシステムになっており、国会議員たちにはとてもそんな実務を行う能力がありません。
そのため、予算を決める実務は、完全に財務省が握っているのです。
国家予算こそは国家権力の源泉であり、それを握っているということは、相当のパワーを持っていることになります。それに加えて税金を徴収する「徴税権」まで握っているのです。
このような巨大な権力を持つ省庁は、先進国ではあまり例がありません。
近代国家では、予算策定権と徴税権は、別々の官庁が持つことが多いのです。両方を1つの省庁が持つと、あまりに権力が大きくなりすぎるからです。
日本でも、表向きは「財務省と国税庁は別の組織」という建前になっています。しかし、国税庁長官をはじめ国税庁の幹部は、すべて財務省官僚が占めており、国税庁は完全に財務省の支配下にあるのです。









