「政治家悪玉論」の誤りと「財務省黒幕論」の正しさ
本来、政治家はそもそも新税の導入や、増税をしたがらないものです。新税をつくったり増税すれば、支持率が下がるのは目に見えているからです。
なのに、なぜ政治家は財務省の意向を汲んで消費税を増税してきたかというと、「政治家が財務省に逆らえない構図」があるからに他なりません。
前述したように、財務省は国の組織の中枢部分をすべて握っています。もし財務省が本気で怒れば、行政全体が止まってしまうのです。
また国会運営についても、政治家は財務省の協力なしには行えません。それをいいことに財務省は、政治家に対し暗に「自分たちの意を汲まなければ動かない」というような脅しをかけるのです。
首相さえ財務省にコントロールされている
実際に財務省は、自分たちの意を汲まない政治家に対しては、強烈な攻撃をチラつかせます。あの安倍首相も回顧録で次のように述べています。
「予算編成を担う財務省の力は強力です」
「彼らは、自分たちの意向に従わない政権を平気で倒しに来ますから」
「財務省は外局に、国会議員の脱税などを強制調査することができる国税庁という組織も持っている」
(出典:「安倍晋三回顧録」中央公論新社)
安倍首相は、財務省の意に反し、消費税の増税時期を2回も延期しました。これほど財務省にノーを突き付けたのは、平成以降の首相では、安倍氏しかいないといえるでしょう。この安倍氏にしても、最終的には消費税の増税を承認せざるを得なかったのです。安倍首相は、財務省の恐ろしさを嫌というほど知っていたのです。
財務省解体デモは、そういうことも含めて「財務省をこのままにしておいてはダメだ」と感じた人たちの意志の表れなのです。
ひろゆき氏の言うように、財務省解体デモをしている人たちが、「あまり頭のよろしくない人たち」だとは、私はまったく思いません。
(本記事はメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2025年3月1日号「財務省解体デモは正しい!ひろゆき氏の大誤解をただす」を抜粋、再構成したものです。「“幼稚園の土地を国税が差し押さえ”の謎」「安倍元首相の甥っ子の相続税無税の件」を含む全文はご登録の上ご覧ください。初月無料です)
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image by: 財務省Webサイト









