ミャンマー国境付近を舞台とした国際詐欺事件で、その存在が改めてクローズアップされる形となった中国人犯罪組織。そんな「中国マフィア」と中国共産党とのただならぬ関係が、とある調査により白日の元に晒される事態となっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、フランス人ジャーナリストが掴んだ習近平政権の「国際犯罪組織利用」の実態を詳しく紹介。その上で、中国とのあらゆるビジネスが高いリスクを孕んでいる可能性を指摘しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】世界的犯罪組織「三合会」を裏で操る中国共産党
共産党のための犯罪組織。中国マフィア「三合会」の運営メカニズム
● 法記者掲中国黒幇横跨世界 以犯罪帝國為北京服務(フランス人ジャーナリスト、北京の犯罪帝国のために仕え、世界中で活動する中国マフィアを暴露)
ミャンマーを拠点とする中国系犯罪組織が拉致した外国人を使って特殊詐欺などを働いていた事件は、メディアでも大きく取り上げられ、またこのメルマガでも紹介してきました。
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中国政府もこの犯罪組織を摘発するため、関係国への圧力を強め、幕引きを急いでいると報じられています。
● 幕引き急ぐ中国、摘発へ圧力 「一帯一路」隠れみの―ミャンマー拠点犯罪
ところが、フランス人ジャーナリストで調査ドキュメンタリー監督のアントワーヌ・ヴィトキン氏は、1年にわたる調査の結果、中国共産党政権が中国のマフィアや多国籍犯罪組織を利用して、北京の利益のために西側の政治・経済機構に潜入していることを明らかにしました。
冒頭に掲載した中央通信社が3月4日に報じたニュースによると、ヴィトキン氏は過去1年間、世界中の中国ギャングと中国共産党の関係を調査し、最近、新著『Triades: La mafia chinoise a la conquete du monde(三合会:中国マフィアが世界を征服する)』を発表しました。
三合会(トライアド)とは、清朝の時代に、政府に抵抗すべく結成された反体制的性格の結社ですが、同時に、強盗や密売などの犯罪組織でもありました。三合とは、「天地人の調和」を示す意味があります。
1840年代からのアメリカのゴールドラッシュ時代、多くの中国人が苦力貿易(ピッグトレード)により、労働力としてアメリカに渡りました。以降、海外へ出た華僑たちの社会にも三合会が浸透していきました。
一方、中国本土では、1949年に中華人民共和国が成立すると、政府の厳しい取り締まりにより次第に三合会は南下し、香港に浸透して拠点とするようになったとされます。とくに香港映画を牛耳り、カンフー映画や香港ノワール映画なども、その支配下で誕生したといわれています。
ところが、当初は中国政府の弾圧対象だった三合会も、次第に中国当局との関係を深めていきます。中国政治では腐敗や賄賂が当たり前の伝統文化だけに、こうした黒社会と警察、政治家も繋がりができやすいのです。
冒頭の記事によれば、3月3日付のフランス紙「JDD」に掲載されたヴィトキン氏のインタビューでは、「三合会は単なる犯罪組織ではなく、国際的な地政学的プレーヤーであり、欧州警察機構によればヨーロッパにおける組織犯罪の3分の1は中国から来ている」と指摘、それはほぼ共産党のための犯罪帝国であると表現しました。
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