10万円の商品券配布より大問題。石破首相の進退が問われる杉田水脈氏「参院選比例トンデモ公認」

 

全国のネトウヨ票を独占できると踏んだ杉田水脈の思惑

で、ここからが本題ですが、この処分に当てはまらない裏金議員が3人いたのです。杉田水脈、上杉謙太郎、尾身朝子の3氏です。この3人は小選挙区と比例の重複ではなく、比例だけに出馬する予定だった「比例単独」の候補でした。しかし石破首相は、この3人の対応だけを先送りしたのです。

この3人は「比例単独」の候補として、それぞの地元の自民党県連から公認申請が出されていました。ですから、本来であれば公認か非公認かを判断し、他の裏金議員と同日に発表しなくてはなりませんでした。しかし、他の裏金議員のように公認してしまうと、その瞬間に当選が決まってしまうという特殊な例だったため、石破首相は判断を3日間ほど先送りしたのです。そして3日後の10月11日、これまた森山幹事長が、次のように発表したのです。

「3名とも自ら出馬をご辞退をされて、反省の態度を示されました。今後も政治活動を続けていただきたいと思いますし、1日も早く国民の皆さんの信頼を取り戻せるように頑張っていただきたい」

出馬する気マンマンで自分から県連に公認申請を依頼していた3人が3人とも、突然、自分から出馬を辞退することなどありえません。これは3人の意思ではなく、森山幹事長の命令に従ったということが一目瞭然です。その証拠に、出馬を辞退したとされる上杉謙太郎氏は、この2日後の13日、公示日の2日前というギリギリのタイミングで、福島3区に無所属で立候補すると表明したのです。

一方、杉田水脈氏は、ツイッター(現・X)でアンチに向かって「あなた方がいくら騒ごうが私にはなんの影響もありません!」などとケンカを売りつつ「参院への鞍替え」に言及しました。これもどうせ森山幹事長の差し金だと思いますが、今回の衆院選を引かせるために代替案として来年7月の参院選での「比例単独」を提案したのでしょう。杉田氏は12日、地元の山口で記者会見して「来夏の参院選比例代表に挑戦して信を問う」と述べました。

衆院選の比例は「自民党」というように、有権者は政党名を記入し、各党は得票数に応じて名簿の順位の上位から当選が決まって行きますが、参院選の比例は政党名でも候補者名でも良いのです。そして、候補者名の票はすべてその候補者に入ります。杉田氏が「信を問う」と言っているのは、参院選の比例で「杉田水脈」と記入された得票で当選するという予告なのです。この方式にすれば、全国のネトウヨ票を独占できると踏んだのでしょう。

でも、そんなに都合よく行くのでしょうか?あたしがそう思ったのは、杉田氏が参院選への出馬宣言をした3日前の10月9日、衆議院の「国家基本政策委員会合同審査会」で行なわれた党首討論での、石破首相の答弁を聞いていたからです。

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