AI時代は「使い捨てのソフトウェア」「書き捨てのコード」がより重要となる
「コードが書けるAI」の誕生により、ソフトウェア・エンジニアの仕事がなくなってしまうと心配する声がある中、次にご紹介するのは、アセンブラからコンパイラ、コンパイラからインタープリタへのプログラミング環境が変わったのと同じで、単に「プログラミングとは何か」が大きく変化しているだけで、ソフトウェア・エンジニアは必要だ、とする興味深い記事です。
この筆者の主張に同意できる面も多々あります。AIはすでに実用的なコードを生成できますが、それを実際に役にたつソフトウェアに仕上げるには、ソフトウェア・エンジニアが不可欠です。
AIが生成するコードは、最初の70%の完成度しかなく、残りの30%は人間の手が必要だ、というものです。
しかし私は、筆者はAIが可能にしつつある重要なイノベーションを見逃しているように感じます。それは「使い捨てソフトウェア」の台頭です。
従来型のソフトウェアは、OSやアプリのように時間をかけて開発し、それを多くの人たちが何度も走らせます。それゆえ、コードの品質は重要だし、変更・保守のしやすさもとても重要で、筆者が指摘する「残りの30%」がとても重要です。
しかし、「コードが書けるAI」の誕生により、完成度は70%とはいえ、コードの生成コストが限りなくゼロに近づきつつある今、コードは完成度・保守性の高いものを何度も使う時代から、必要に応じてその場で生成し、実行後は破棄してしまう「使い捨てソフトウェア」へと大きなパラダイム・シフトを起こそうとしていると私は感じているのです。