我が国は一億総“餓死”時代へ突入。トランプを落ち着かせるための「コメ輸入拡大」が日本人を殺す

 

「安い輸入米受け入れ大賛成」というヤバい流れ

それだけではありません。ヤバイ流れが生まれつつあります。何でしょうか?「コメ不足が深刻だから、アメリカから安いコメを大量輸入しよう!」という流れです。「ブルームバーグ」2025年3月12日。

トランプ米政権は、日本が輸入米に高い関税を課していると批判した。米国が今後数週間のうちに相互関税の適用を目指す中、コメと日本が標的となる可能性が高いことが示された。

ホワイトハウスのレビット報道官は11日の記者会見で、インドや欧州連合(EU)など各国の関税率が記載されたとみられる図表を示し、日本は「コメに700%の関税を課している」と指摘。

この「700%の関税」というのは「フェイク情報」だそうです。

日本は輸入米を一定量関税ゼロで受け入れるミニマムアクセス(最低輸入量)の仕組みを設けており、年77万トンを上限に国が無税で受け入れている。この枠外で輸入されるコメには、1キログラム当たり341円の関税が課される。

しかし、アメリカ・トランプ政権は、「もっとアメリカの安いコメを買え!」と圧力をかけてくるでしょう。

今日テレビニュースを見ていたら、実に興味深い「街角アンケート」が行われていました。「安い輸入米が入ってくることについてどう思いますか?」と質問したのです。

コメ価格暴騰に苦しむ人々は、「安ければ、輸入米でもかまいません」「やすくておいしければ全然問題ない。カリフォルニア米とか食べてみたい」などなど、「安い輸入米受け入れに大賛成」という意見ばかり流していました。

「日本米は高い」

「だから安い輸入米を入れれば、解決じゃん!」

これは、本当に「近視眼的」「短絡的」「戦術的」意見です。というのも、外国は、何かあったときにコメ輸出を止めるからです。

たとえば2007年2008年の世界的食糧危機のことを思い出してみましょう。この年、世界的に穀物価格が暴騰しました。

  • 食物をバイオ燃料にするのが流行したこと
  • 世界人口が年間7,700万人も増えていたこと
  • 経済成長に伴う、アジア諸国の需要増加
  • 原油価格上昇の影響
  • 金融投機
  • 自然災害による収穫不足

など、さまざまな理由がありました。いずれにしても、事実として「世界的食糧危機」が起こったのです。結果、中国、ブラジル、インド、インドネシア、ベトナム、カンボジア、エジプトなど主要なコメ輸出国は、国内の需要を満たすため、コメの輸出に厳しい規制を科しました。

食糧危機で暴動が起こった国は、ブルキナファソ、カメルーン、セネガル、モーリタニア、コートジボワール、エジプト、モロッコ、メキシコ、ボリビア、イエメン、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、南アフリカなど。

皆さん、この話を聞いて、「そんなことあったかな?」という感じでしょう。2007年は「サブプライム問題」が顕在化し、2008年は「リーマンショック」から「100年に1度の大不況」が起こった。そっちのインパクトが強かったので、世界的食糧危機のことを意識しなかったかもしれません。しかし、事実として、多くの国がコメの輸出を制限したのです。

この年、日本では大きな混乱はありませんでした。理由はもちろん、日本のコメ自給率が、「ほぼ100%だから」です。もし日本のコメ自給率が30%だったら、大混乱が起こったことでしょう。

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