外食産業で、売上、客数、単価それぞれですべて大きな伸びを達成することは、一朝一夕では上手くいかないものです。今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、売上前年対比137.8%を達成した支援先の例を紹介し、1年かけて取り組んできた戦略について語っています。
売上前年対比137.8%を達成する為にやった事
3月は居酒屋のご支援先が絶好調。前半戦は店によって弱いか?とのケースもありましたが、着地で見ると大きな伸びを達成できました。
その中でも今回のご支援先。
売上:137.8%
客数:130%
単価:106%
このような構造となり理想的な結果に。もちろん利益率も大幅改善。
この辺りは1年をかけて取り組んできた事もある為、今日はその辺りを見ていこうと思います。
■客単価について
3,500円→3,710円(106%)
<フード>
コストプッシュはありましたが実は敢えて値上げしませんでした。
元々3,500円というポジションが差別化にもなって集客自体好調でした。
好調なので値上げしても良かったのですが、交差原価率を分析したところ、敢えて値上げせずとも適正粗利率にできる。
このように判断しました。
具体的にそれは何か? と言えば、ドリンクの杯数を伸ばすだけで売上も粗利も改善できるとわかったのです。
<ドリンク>
元々3,500円の詳細を見ると、
フード :2,200円
ドリンク:1,300円
このような感じでした。ドリンクの平均単価が580円なので2.24杯。
これ、少ないですよね!つまりこれを伸ばす事ができれば良くなる事がわかっていた訳です。
元々、
・ローラーはしよう!
・ドリンクの伺いはしよう!
これは打ち出していたのですが、「断られるのが嫌で…」という風土になり、結局聞ききれていない状況がありました。
そのため、ここのオペレーションを変更。
従来:お代わりいかがですか?
改善:お代わり決まったら仰ってくださいね!
改善の方になればお客様のレスポンスとしての「否定文」にはならないですよね!
・お代わりでお願いします!
・ありがとう、今は大丈夫!
ポジティブな言葉の応酬になるため、これでキチンと聞き切れる風土になられました。
その結果、ドリンクが1,300円→1,510円に。つまり2.24杯から2.6杯にまで改善した訳です。
やったのはそれだけ!
客単価 :3,500円→3,710円
フード :2,200円→2,200円
ドリンク:1,300円→1,510円
ドリンクの原価率自体は約20%。
この構成比率が増えれば、粗利も粗利率も良くなる計算ですね。
これによって値上げは一切せず、お客様満足度の向上から客単価と粗利の向上に繋がった訳です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ