中国シャオミ車が高速で爆発炎上の死傷事故。ADASを「ほぼ自動運転でしょ」の“過信”が招いた悲劇

 

あくまでも運転支援

この一連の対応と事実から見えてくるのは、「システムは想定通りに作動していた可能性が高い」ということ。

NOAは警告を出し、減速し、最終的に人間へ制御を引き渡した。

つまり、自動運転レベル2(L2)の運転支援機能として、責任の主体がドライバーにあるという前提は崩れておらず、誤作動の兆候も確認されていない。

運転者は非オーナー

さらに重要な点として、シャオミがこの車両オーナーと連絡を取った際、「運転していたのはオーナー本人ではなかった」ことを確認している。

この点は見逃せない。運転支援機能はその特性や注意点、制限事項を十分理解した上で使うべきもの。

借用運転や初心者による「試し乗り」の中で、過信や誤用が起きやすくなるというリスクが現実化した可能性がある。

爆発炎上とドア開閉不能

深夜、工事中の高速道路で、100km/hを超える状態でNOAを使う──

しかもその操作に不慣れな人物がハンドルを手放していたとすれば、そこに潜んでいたのは技術の限界ではなく、「人間の理解と使い方の問題」だったのかもしれない。

また、この事故では、衝突後車両が直後に爆発炎上、ドア開閉(脱出、救助)不能になった、という指摘もある。

このことから、スマートドライブ事故、というよりは、バッテリーパックやドア構造の問題も指摘され始めている。

メーカーPR手法に問題も

どちらにしろこの事故は、スマートドライブという今ホットな技術が、いかに「過渡期」においては人間側の教育・意識・行動によって左右されるかを突きつけたとも言える。

特に中国では「クルマの方が賢い」と信じる人々が増える中で、メーカーは技術を「魅せる」だけでなく、「正しく使わせる」設計と伝達を進める責務が生じるきっかけにもなりそうな事故だ。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202504/1I70421999C109.shtml

 

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