大阪・関西万博のNTTパビリオンで抱いた「IOWNの見せ方」の違和感

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大阪・関西万博がいよいよ開幕しました。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、9日のメディアデーに取材に行ってきたそうです。そのなかでも石川さんのお目当てであった「NTTパビリオン」の様子を詳しく紹介しています。

大阪・関西万博開幕。NTTパビリオンの「ツッコミどころ」

いよいよ4月13日より「大阪・関西万博」が開幕する。9日のメディアデーに取材に行ってきた。

お目当てはNTTパビリオン。体験テーマは「PARALLEL TRAVEL」。次世代情報通信基盤「IOWN」による空間伝送技術で離れた場所と空間をつなぐというものだ。

メインとなるのはZone2のPerfumeのパフォーマンスだ。3D点群スキャン、3Dカメラ、振動伝送、空間同期などの技術を駆使して、時空の隔たりを超えたIOWNによる「未来コミュニケーション体験」が売りとなっている。
確かに3D眼鏡をかけて見られるPerfumeのパフォーマンスは圧巻だ。彼女らがステップを踏むと、Zone2内の床も振動するので、まるでPerfumeがその場で踊っている感覚を体験できる。

過去にもIOWN経由で遠隔地でパフォーマンスするPerfumeの映像を見る機会があったが、振動も加わると臨場感が一気に増して、とても新しい感覚であった。

ただ、このPerfumeのパフォーマンスは事前に収録されたものだ。4月2日に夢洲と万博記念公園をつないで行われたものを「完全再現」したのだという。つまり、IONWNらしさはどこにもない。

IOWNを売りにするのであれば、やはりライブにこだわってほしかった。会期中の184日間、毎日、朝から晩までPerfumeが生で踊れとは言わない。ダンスの上手いパフォーマー集団が、どこかでライブをやっているのを中継するだけでもいいような気がする。

さらにIOWNの可能性を示したいのなら、遠隔地で踊るパフォーマーと会場のパフォーマーが一緒に踊るというのが望ましいだろう。

かつて、渋谷でIOWNのデモをしたときは、芸人のヨネダ2000が、遠隔地と現場にわかれ、IOWNでつないでぴったり間を合わせて漫才を披露するといったことをしていた。代表ネタである「ぺったんこ」が寸分違わず同期している様子に感動すら覚えたのであった。

確かに184日間、朝から晩まで遠隔地をつないでパフォーマンスするにはコスト的にも厳しいかもしれないが、1日に何ステージかはそうした「IOWNの本気」を見せる時間があっても良かったように感じる。

ちなみに、メディアデーを取材して、最も良かったのは「水と空気のスペクタクルショー『アオと夜の虹のパレード』」と1000基のドローンショー『One World, One Planet』だ。これは必見なので、会場には夜までいることをおすすめする。

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