立憲に渦巻く「国民民主さんは本当に野党なのか?」という疑心暗鬼
野田代表はこう反論する。「出せ出せというのはいいが出したら必ず賛成してくれるのか。自分たちもどう判断するかよく考えてほしい」
賛成する気もなしに出せと言っているだけではないのか、という牽制だろう。その腹の底に渦巻いているのは、野党第一党の党首としての疑心暗鬼だ。日本維新の会も、国民民主党も、野党の連帯を考えて動いているとは思えない。
とりわけ、参院選でさらに躍進しそうな国民民主にいたっては、公明党から秋波を送られていることもあって、連立政権入りを狙う気配さえ漂う。
たとえば、企業・団体献金をめぐる対応だ。立憲と維新は原則禁止を求めているが、国民民主は献金を存続させ規制強化を図る案で与党と合意した。国民民主は「政治団体からの献金を認めるのでは、抜け道になる」と立憲、維新を批判する。しかし、他の野党からは「国民が自公に助け舟を出している」と見えてしまうだろう。
「自民党に気遣っているのか」と立憲の小川淳也幹事長が憤ったのも、国民民主は本当に野党なのか、という疑念があるからに違いない。
小川幹事長は、国民民主に対し「労働者の側に立った価値観を掲げる両党だ。足並みをそろえて自民党政権に代わる受け皿に貢献するべきだ」と「再合併」を呼びかける。しかし、国民の榛葉幹事長は「お花畑だ。基本理念が違っている」とはねつける。
こうした認識の食い違いは、夏の参院選に向けた候補者調整にも影を落としている。
立憲は連合をいわば“接着剤”として国民民主との候補者調整を進めたい考えだが、支持率が好調な国民民主は改選4議席の4倍、つまり16議席以上、そして「比例1000万票」を目標に掲げ、積極擁立の構えを崩さない。
全国に32ある「1人区」で候補者の一本化をするよう求める連合の意向に反して、福井、滋賀、奈良で競合する見通し。維新の勢力圏である京都、大阪、兵庫にも公認候補を立てる方針だ。(次ページに続く)









