今回の提携で三井住友カードは「PayPayと最も相性の良いカード」と言い切っている。PayPayカードがあるにもかかわらず、だ。
そこで宮川社長に「ソフトバンクとしてPayPayカードは諦めたのか」と聞いてみた。宮川社長は「諦めたわけではなく、契約者数を増やしたい。ただ、PayPayカードが三井住友カードの規模になるには20~30年の戦いになる」とした。
ただ、PayPayユーザーとしてみたら、PayPayカードと三井住友カードが同等に扱われるのであれば、わざわざPayPayカードを持たなくても、という気になってくる。いまのところはPayPayステップやソフトバンク/ワイモバイルの最大10%ポイント付与などの特典は生き残っているが、他キャリアユーザーでPayPayを使っているユーザーとすれば、PayPayステップぐらいしかメリットがなくなってくる。
個人的にはソフトバンクがPayPay経済圏でメガバンクを脅かすような影響力を期待していたのだが、今回、メガバンクにあっさりと寝返ったようで失望してしまった。
その点でいえば、KDDIはauカブコム証券を三菱UFJ銀行に渡してしまったし、楽天もみずほフィナンシャルグループに取り込まれつつある。
結局のところ、どんなに通信キャリアが非通信分野を強化し、金融事業に注力しても、最終的にはお金を持っているメガバンクには足を向けて寝られないということなのかもしれない。
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