GI値の落とし穴?糖尿病患者にとって最も大切なのは糖質の「絶対量」だった

 

GIは、特に1990年代に脚光を浴びはじめ、2003年にWHOから「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを、低GI食品が低減させる可能性がある」というレポートが出されました。

低GI食品は、現代人に急増しつつある肥満やメタボリックシンドロームの予防・改善の観点からも、注目されています。

糖尿人だと、多糖類のご飯やパンでも速やかに血糖値が上昇します。

単糖のブドウ糖とほとんど変わりません。

例えば、2型糖尿人の私が、ご飯を一膳食べれば、1時間値は200mg/dlを軽く超えます。

比較的GIの高い胚芽米を一膳食べると、私の食後1時間血糖値は、240mg/dlくらいまで上昇します。

比較的GIの低い玄米なら、食後1時間血糖値は220mg/dlくらいですが、差は小さいし、所詮200mg/dlを超えているので、動脈硬化への害はほぼ一緒です。

つまり糖尿人にとって、GIは意味がありません。

以下は米国糖尿病学会が糖尿病患者用のテキストブックとして出版している書物に記載してある表です。

これは、糖尿人にも健常人にも適応されます。

でんぷんが、血糖に与える影響は、「大きい、速い」と明記されています。

でんぷんは多糖類です。

糖尿人にとっては、単糖類だ、多糖類だという分類は役に立ちません。

糖尿人は糖質の絶対量をカウントすることが優先順位の一番です。

食物グループ中の栄養素  米国糖尿病学会

食物グループ / 血糖に与える影響 / 血糖に与える影響の速度

  • でんぷん / 大きい / 速い
  • 果物 / 大きい / 速い
  • 牛乳(甘味料あり)/ 大きい / 速い
  • 野菜 / 小さい / 速い

● Life With Diabetes A Series of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center 2004

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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