「さっさと生ビール飲ませてよ…」あなたの切実な願い、AIが叶えます!? 居酒屋のタブレット注文は過渡期の産物、間もなく世の中から消える理由

 

店によってUIすらバラバラ。原始的なタブレット注文はAIに淘汰される

論より証拠。かつて一世を風靡(ふうび)していた「ポケベル」は完全に姿を消しました。今時、「ポケベル」で暗号のような数字のメッセージを送っている人はもういませんよね。同じように、現在のような原始的で、非人間的な店頭注文管理のシステムは、実は「過渡期」的なものであり、やがて消えていく運命なのです。

これからは、AIの技術が普及しますから、注文のやり取りはもっと人間的で双方向性のコミュニケーションに取って代わられるはずです。

まずは、もっと「音声認識」が当たり前になるはずです。私たち客は、システムの端末(タブレットやロボット)に向かって、「音声」で問いかけたり「注文したり」するようになるでしょう。

たとえば、以下のような具合です。

客「ビールにしようかな」
システム「生(なま)にいたしますか? 瓶ビールもございますが」
客(パネルに表示された瓶ビールを見て)「ああ、オリオンビール、置いてるんだね」
システム「はい。オリオンビール、一本お持ちいたしましょうか?」
もう一人の客「あら、懐かしい。私もオリオンビールにするわ」
さらにもう一人の客「僕は、青島(チンタオ)ビールにする」
システム「それでは、オリオンビール2本に青島ビール1本でございますね」
客「おう、とりあえず、それで頼むよ」
システム「はい。承りました。ありがとうございます。少々お待ちください」

このように、従来、店員さんとお客の間で交わされていた自然な双方向のコミュニケーションをAI化したシステムが引き受けることになるはずです。

こうした自然な会話で注文を受けるシステムの構築は、現在の技術力で充分に可能なことなのです。後は、客がそれを求めるかどうかです。

さらに、AIの特長を活かせば、あいまいなお客のニーズをもとに、具体的な提案をシステムの側が行うこともできます。つまり、システムが客の相談に乗る、というわけです。

システム「何か、ご注文がございますか?」
客「うん、刺身をもらいたいんだけど・・・」
システム「盛り合わせをおつくりいたしましょうか?」
客「今、旬のものってある?」
システム「はい。今日は鰆(さわら)が入っております」
客「おお、鰆か。そりゃ良いね」
システム「はい。今朝ほど豊洲から入ったばかりです」
客「じゃあ、それを頼むよ」
システム「はい。それでは、鰆のお刺身をご用意させていただきます」

もちろん、鰆の刺身に合った日本酒の相談にも、AI化されたシステムは応じてくれるはずです。これって、昔は店の親父さんやお姐さん(人間)が普通にやっていたことなんですよね。(次ページに続く)

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