例えばFラン大学に借金をして行く子は単純に4年間遊びたいから大学に行きます。田舎の親も、自分が高卒だと大学というだけで立派だと思う人は大勢いるので、Fランだと就職もできないとは知らないんです。日本人の60%以上が日本に1,000兆円の国債があると知らないわけで、そういう人たちから見たら、大学さえ出ていればおまんまの食い上げはないと思っているわけですね。
ドイツは13歳で勉強ができない子は実務方面に行くと決まり、振り分けが行われます。そのため大学進学率が低いですが、少子化は続いています。一方で沖縄はお金がないし、進学率も低いのに出生率は高い。なぜかというと、マインドが明るいからです。
北海道の出生率が低いのは、食えなかったら餓死するしかないみたいな厳しい環境だから。沖縄はフラフラしていても食うに困らない。だから少子化を解決するには、マインドが変わることが重要なんです。「これから日本は良くなる」というマインドになることが必要で、わたしは規制緩和が一番効果があると思っています。
選択制別姓もOK、LGBTもOK、何でも自由になって、規制がどんどんなくなる。農業規制もなくなり、誰が農家をやってもいいんだよとなれば、日本も風通しが良くなり、子どもも生まれると思います。
教育については、Fラン大学への補助金を切って、高専のような実務教育を充実させる方向性が現実的だと思います。高専って実は偏差値がめちゃくちゃ高くて、上位は67から69で、進学校と変わりません。
高専はハードエンジニアを育てる学校なので、トヨタの設計部にも高専卒がたくさんいます。大学の工学部は専門的なことを教えないので、車のデザインをしたいと思ったら、工学部より高専に行った方が絶対良いです。(トヨタの工場のエンジニアは年収1,000万円超えがザラにいます)
規制を緩和し、日本の風通しを良くする。教育についてはFラン大学への補助を切って、高専のような実務教育を充実させる。できるかどうかは謎ですが、その方向が最も現実的だと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com









