日本全体が“長嶋茂雄化”している。憂慮すべきわが国の末期症状
さて、日本にはほかの圧力もある。
私がYouTubeで、監督時代に引き抜きをやりまくった長嶋茂雄を批判したら、林隆信(偽名か本名かわからない)という人から、「ご自分が少し偉くなったと思ってしまった。長嶋の批判はよくない。百年はやい。本も沢山買いましたがやめます。貴方は最低な男」というメールがきた。
百年早いと言うことは一生長嶋の批判をできないということだろう。偉い人は何をしてもよいが、下々がそれを批判すると「ご自分が少し偉くなったと思ってしまった」などと言われる始末。
とにかく、監督時代の長嶋の他球団の4番打者取りはひどかった。
93年オフに中日の4番・落合博満を入団させ、翌94年のシーズン途中に前年までダイエーの4番を打った岸川勝也を交換トレードで獲得。同年オフにもヤクルトの広沢克己、ハウエルの4、5番(ハウエルも4番併用)を両獲り。1年の間に他球団の4番4人を相次いで入団させたのだから。
その後も長嶋巨人は、西武・清原和博&マルティネス、近鉄・石井浩郎、広島・江藤智と他球団の4番をかき集める。江藤などは戦力としてほとんど使われず、わがカープを弱くするための引き抜きとしか思えない。
おそらく長嶋ファンの人たちは、獲られた側のチームやそのファンの気持ちなどまったく理解できないだろう。私が長嶋を批判するのも偉くなったからでなく、弱者の立場だと思っているからだ。
そして、長嶋ファンは言論の自由のある国でも批判を許さない。日本を北朝鮮みたいな国にしたいのが長嶋ファンだと思い知った。
実際、特定の球団にいい選手が集まりすぎることで、日本のプロ野球はつまらなくなり、優秀な選手はすべてメジャーに行くようになった。巨人に行って悪いイメージがつくよりメジャーのほうがずっといいということもあるだろう。
かくして日本の野球はメジャーの二軍のようになってしまった。これが長嶋のやらかした結果だ。
でも、強い側は何をしてもいいというのは、日本の政治状況そのものだ。税金を払い続けていても、政府与党が好き勝手に金を使う。生活保護でちょっと返してもらおうとすると、強者の味方の長嶋ファンのような人たちにバッシングされる。
警察がまじめに治安を守ろうとせず、交通で金儲けばかりするようになっても、それを誰も批判しない。強いものはやり放題。その象徴が長嶋で、それの支援者が長嶋ファンなのだと思い知った。(次ページに続く)
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