石破首相が講演で口にした驚きの「消費減税の問題点」
6月28日、静岡県沼津市で講演した石破首相は、立憲民主党など野党が参院選の公約に掲げた「消費減税」の批判に終始しました。まずは、すでに耳タコの「消費減税は法整備やシステム改修などの手続きに時間が掛かる」と指摘し「一方、自民党の現金給付は即効性があり物価高対策に効果的だ」と強調しました。
しかし、驚いたのはここからです。石破首相は「消費減税」の問題点として、次のように述べたのです。
石破首相 「立憲民主党など野党の皆さんは物価高対策として消費税の減税を掲げておりますが、お金持ちほどたくさん消費します。つまり、消費税を減税すると、お金持ちほど減税額が大きくなるのです。皆さん、本当にそれでも良いのですか?」
おいおいおいおいおーーーーい!…というわけで、石破ちゃん、こないだも「消費税の逆進性」について真逆のことを言って多くの人たちをポカーンとさせてましたが、やっぱ1ミリも分かってなかったのですね。
たしかに年間の消費額が大きいお金持ちのほうが減税額も大きくなりますが、贅沢品だけでなく食品や日常品などの生活必需品にもまんべんなく課せられている消費税は、所得が低い人ほど負担が重くなる逆進性を持った税制の最たるものなのです。
総理大臣がそんなことも知らないなんて、さすがは6月30日に国家公務員としての夏のボーナス392万円が振り込まれた石破ちゃんです。毎月200万円を超える月給を貰っていながら、6月はそれプラス392万円で計600万円超。こんなに税金チューチューをしていたら、主食のお米も高くて買えない庶民の気持ちなんて分かるわけありませんよね。
そして、石破首相以上に国民の感覚とズレているのが、自民党の農水族のドン、森山裕幹事長なのです。森山幹事長は6月29日、奈良県五條市での講演で、複数の野党が掲げる「消費減税」について「代替財源を示さずに消費税を下げる議論をするのはポピュリズムの政治だ」と厳しく批判した上で「何としても消費税を守り抜く!」と語気を強めたのです。
この発言が報じられると、ツイッター(現・X)では「消費税を守り抜く」がトレンド入りし、SNS上には批判の声が巻き起こりました。
あたしから見たら、選挙に向けて国民全員に2万円ずつバラマキするほうが「ポピュリズム(大衆迎合)政治」だと思いますが、この人の感覚では逆のようです。
翌30日(月)の文化放送『長野智子 アップデート』では、生出演した政治ジャーナリストの角谷浩一氏が、名前こそ挙げませんでしたが次のように批判しました。
角谷浩一氏 「『何としても消費税を守り抜く!』と言ってる政権与党の幹事長がいらっしゃいますけど、政治家が何としても守り抜くものって、たとえば『平和』とか『国民』とか、それなら分かりますよ。でも『消費税』って意味が分からないですね」
ま、森山幹事長はもともと「消費税至上主義」で、ずっと前から「消費税は絶対に下げない」と言い続けて来ましたし、今回、物価高対策として時限的な消費減税を視野に入れた石破首相に釘を刺し、公明党と歩調を合わせた給付金バラマキに車線変更させた張本人なんですよね。
今回の参院選で、石破首相が公認したくなかった杉田水脈や西田昌司を強引に公認させたのも森山幹事長ですし、この人が二人羽織政治を続ける石破首相の「中の人」なのです。
そのため、石破首相は森山幹事長の受け売りで「消費税は社会保障の重要な財源」などと大嘘を垂れ流し続けているのです。石破首相にしろ森山幹事長にしろ、何なら立憲民主党の野田佳彦代表だって、消費税の重要性を訴える時には、バカのひとつ覚えの「消費税は社会保障の重要な財源」という大嘘を連呼して来たのです。
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