プーチン、トランプ、習近平が天安門に揃い踏み?中国政府が米国の“裸の王様”に送る「抗日戦争勝利80周年」軍事パレードの招待状

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第2次世界大戦の終結から今年で80年。そんな節目となる年に中国が見せた思わぬ動きが世界で大きな話題となっています。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、中国政府が9月3日に行う「抗日戦争勝利80年」記念の軍事パレードにトランプ大統領の招待を決めたとするニュースを紹介するとともに、トランプ氏訪中が実現するか否かを考察。中国商務部の記者会見の「はぐらかしたような回答」を上げ、その可能性の高さを指摘しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米中のロンドン合意後も依然として続く小さなつばぜり合いは何を意味するのか

天安門に米中ロのトップが並ぶのか。中国が「抗日戦争勝利80周年」軍事パレードにトランプ招待を決めた衝撃

米中のロンドン合意後も依然として続く小さなつばぜり合いは何を意味するのか

中国政府が9月3日の「抗日戦争勝利80年」記念の軍事パレード(閲兵式)にドナルド・トランプ米大統領を招待──。

6月末、こんなニュースが世界を駆け巡ると日本にも緊張が走った。

閲兵式には、すでにロシアのウラジミール・プーチン大統領が出席することも決まっていた。

もしトランプ大統領が出席することになれば、米中ロのトップがそろって式典に顔をそろえることになる。そんな様子を想像して心が穏やかな日本人は少ない。

このメルマガでも書いた「大国間謀議」という言葉がいまさらながら想起されるからである。

日本は、相互関税をめぐる貿易交渉でもトランプ政権の壁の高さを痛感させられている。それだけに複雑さはひとしおだ。

トランプの9月訪中は実現するのか。メディアの関心は高まっている。

7月3日、商務部の定例記者会見で、「トランプ大統領が9月に企業代表団を率いて訪中すると言われているが?」との質問が飛んだ。それに対する報道官の答えは「提供できる情報はない」と素っ気ないものだったが、続けて以下のように回答した。

「アメリカが中国と同じ課題に取り組み両国首脳の戦略的な主導の下、『相互尊重』『平和共存』『ウインウイン』の原則に基づき、合意を増やし誤解を減らし協力を強化し、両国の貿易関係が健全で安定し、持続可能な発展をともに推進することを望んでいる」

まるで答えをはぐらかしたような言い回しだが、実は、こういう反応をするときの中国の答えは「イエス」だ。

おそらく9月には、首脳会談の裏で大商談会も開催されると予想されるが、これもおそらくロンドンでの合意の一つに含まれていたのだろう。

ロンドン合意は、目の前で着実に実行に移され始めているようだ。先端半導体技術の対中輸出規制にも明らかな変化が見られ始めている。

7月3日、上海の衛星テレビ・東方衛視のニュース番組『東方新聞』は、複数の半導体ソフト開発の大手企業が、「中国の企業への輸出規制を解除する通知をアメリカ政府から受け取った」と報じている。

具体的にはシノプシス、ケイデンス・デザイン・システムズ、シーメンスからの情報で、3社はEDA業界(半導体の設計に用いられる電子設計自動化ソフト)のBIG3ベンダーとして知られる存在だ。

半導体の設計に用いられる電子設計自動化ソフトで彼らの支援を受けられることになった中国企業はホッと胸をなでおろしたに違いない。何といっても3社は、中国市場において70%以上のシェアを誇り、その影響力は計り知れないほど大きいからだ。

協議に合意しながらも履行しないアメリカを問題視してきた中国側も、今回に限っては、こうした明確な変化のサインが届いたことで多少安堵したようだ。

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