NHK『あさイチ』でも大反響。現役探偵が教える「夏休みこそ学校にいじめを相談する絶好の機会」である理由

 

「命の最期の砦」になり得る子どもが安心できる居場所

私が時折、Xの教員アカウントなどで、「学校の外で起きたことまで言われても困る、対応しない」というようなコメントを見ると、とてつもなく残念に思うのは、学校の関係が、こどもにとって「ほとんど世界」といえるくらいの「居場所」であるからだ。

もちろん、家庭も大切な「居場所」である。そして、できる限り両方とも必要な「居場所」なのだ。

前述の「学校外でのこと」をというのは、よくいじめ防止対策推進法のいじめの定義(第2条)の条文批判で使われることが多いが、学校教育法第11条「懲戒」において、学校の内外とは書かれていないが、学校外で起きたこととであっても、重大な影響を及ぼす行為等については、その指導が認められ当たり前に指導がおこなわれている。

例えば、児童が公園で他人の自転車を盗み、警察に保護されたとする。警察から連絡を受けた学校は、必ずこの児童を指導するはずだ。

つまり、学校は学校の外で起きたことであっても、問題によっては指導するのであり、いじめは指導しないというのは、職務の放棄に他ならない。

いじめは、その行為自体で、被害を受けた子どもは、学校での居場所や学校関係での居場所の大半を奪われる、そこで、きっといじめを止めてくれるであろう教員が、外で起きたことだから知らない、関係ないとすれば、その被害者は学校、学校関係で形成された人間関係における居場所を失うことになるのだ。

だからこそ、私は、いじめ法を批判したいだけで、子どもの居場所を奪ってしまう無責任な教員の呟きをとても残念に思うのだ。

一方で、これを読む保護者に当たる人たちには、少なくともあなたは、我が子の居場所を奪わないでくださいと思う。

イライラモヤモヤすることもあるだろう。反抗期にもなれば生意気なことも言ってくるだろう。いじめの被害を受ければ、そのストレスから心にもない酷い言葉で親を罵るかもしれない。それでも、親はわが命を身代わりにしても我が子が大事なはずだ。

すべての保護者に、我が子へ「ここにいて大丈夫」「ここは安全なんだ」と思えるように、しっかりとメッセージを言葉にしてもらいたい。

また、サードプレイスと言われるこども食堂などの場を提供していたり、ネット空間でそうした場を提供している方々も、夏休みの時期は特に、多くの発信をしてもらいたい。

大丈夫、いじめの被害を受けても、何がどうあれ、あなたを受け入れてくれる安心できる居場所はあると多くのこどもたちに知ってもらいたい。

なぜなら、こどもが安心して安全だと思える居場所は、命の最期の砦になり得るからだ。

どうかこどもの居場所を奪わないで欲しい。

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