泣き崩れいじめを告白してきた子どもに親がかけた言葉
具体的に夏休みの時期にいじめをチェックできるシートなどは、ネットを検索すると出てくるが、普段の様子からすべてを知るということは事実上不可能であるから、あくまで参考の範囲で考えるのが良いだろう。
つまり、こうしたものは、ゾーンを絞った心理テストのようなもので、いじめではなくてもチェックがついてしまうのだ。では、どんなことに気を配るべきかとなると、普段との差をしっかり観察してほしいのだ。
普段暗かった子が明るくなった、よかったねではなく、それには何らかの変化があったはずなのだ。
実際、私の知人が、「うちの子は暗いんだよ、ちょっとオタクだし、大丈夫かなって心配なんだ」と話していて、しばらくして、とっても明るくなったという話を聞いた。その話を聞いた日に、たまたま、私とその知人は帰り道が一緒で、彼の自宅でトイレを借りたのだ。
その洗面所で、ものすごく暗い表情で自分の肘をつねっていたその子を見つけた私は、しばらく観察していたところ、鏡で笑顔の練習をしていたのをみてしまった。
間違いなく、何かを隠し、無理をしていると思った私は、知人にその事実を話し、一度、家族で話し合ってみてくれと勧めた。
「親だからわかるけど、ちょっと無理しているかなって、少し心配なんだ」と言ってみてくれとアドバイスした。そして彼は、とりあえず、私の言葉通りに何気ないところで、その子に話しかけたところ、泣き崩れ、突然、いじめを告白してきたそうだ。
小学校入学に祖父母から買ってもらった学習机の引き出しには、何度も書き直した遺書があり、事態は深刻であった。
突然人が変わったように、というエピソードを聞くこともあるが、やはり変わるにはなにかのキッカケや出来事がある。だからこそ、よく観察して普段との差に気が付いてほしい。
保護者が知っていなければならない「基本中の基本」
また、多くの相談を受けて対応をしていると、いじめの疑いにはなにか自信ありげな割に、子ども友人の名前や家の連絡先などをほとんど把握していない親御さんがいる。
例えば、子どもが一番の親友と言えるのは誰でしょう?友人は誰でしょうというのを、すぐに答えられる程度の予備知識は、保護者としてはまずは基本中の基本だ。
これ読む保護者の立場で、どのくらい答えられるだろう。子どもの友人の名前と写真からすぐに誰かがわかるか、最近面白かったエピソードは?子どもの推しは誰か?何か?など
もしも答えられないのであれば、まずはそこから、この夏休みにこどもとコミュニケーションをしっかりとって、色々な話を聞くのが良いだろう。
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