日本「自立」の時
現状、中国もEUも、アメリカ合衆国に取って代わる勢力には成り得ません。
もちろん、アメリカがトランプ大統領に代わってから「自国最優先」に舵を切り、世界への介入の仕方が変わり、軍事的な展開も縮小させつつあることは事実です。しかし、これをもって、アメリカが凋落しつつあると考えるのは早計です。
評判の悪い「トランプ関税」ですが、これにより、アメリカ国内に生産拠点と投資が戻り、仕事も増えることはまず間違い無いでしょう。それに、トランプ氏をホワイトハウスに送り込んだアメリカ国民の多くは、真面目な伝統的クリスチャンであり、「古き良きアメリカ」の再臨を望む素朴なアメリカ人たちです。金だけを信じ、コスモポリタンを気取り、愛国心のひとかけらも無いウォール街の坊ちゃん嬢ちゃんたち(当然、民主党支持)とは違うのです。
信仰心が篤く、コミュニティーや国を愛する人々に支えられ、しかも経済的チャンスに恵まれている国家が脆弱なはずはありません。ですから、しばらくはアメリカ合衆国が「グローバルな覇権国家」として「アメリカによる平和」を取り仕切り、世界の各国に強い影響力を持ち続けるであろう、という予測はまず外れることが無いと思うのです。
ただ、トランプ大統領やその支持者、さらに彼らの背後にいる資本家たちは民主党時代のような「グローバリスト」ではありません。世界を、自分たちのルール(グローバルスタンダード等々)で一色に塗りつぶす全体主義的野望を抱いている人たちではないのです。むしろ、それぞれの国や地域独自の伝統文化や価値観を尊重する人たちです。彼らは、自身がそうであるように各地の信仰や伝統を大切にします。そうすることで、それぞれが地域性豊かな経済発展や社会建設を実現できるように望んでいるのです。
ですから、彼らは「依存」を好みません。人であれ国であれ、それぞれが「自立」を果たした上で、協力し助け合うことを望んでいるのです。
戦後80年が経過しました。米国に依存し切っている日本を見るのは彼らも辛いのです。その一方で、依存する相手を米国から中国に乗り換えようとする「日和見(ひよりみ)主義者」のことを、彼らは蛇蝎(だかつ)のように嫌っています。
「グローバル覇権国アメリカ」と良好な関係を築くためにも、そろそろ、日本という国は本当の意味で「自立」すべき時なのかもしれません。
今回は、私なりの現状認識を語らせていただきました。まあ、不勉強で頭の固い老人の考えることですから、あくまで、何かの参考程度に受け止めてください。
とはいえ、世界が大きく変わろうとしていることは事実です。
「三人寄れば文殊の知恵」
この先も、ご一緒に、あれこれ考えさせていただければ幸いです。
(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』『富田隆のお気楽心理学』8月28日配信号より抜粋。同号の「出不精撲滅週間」「三千世界の鴉を殺し」はご登録のうえお楽しみください。初月無料です)
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