韓鶴子総裁「逮捕」で一気に吹き飛んだ“説得力”。統一教会が解散命令請求の不当性を訴えていた「拠り所」は音を立てて崩れた

 

韓総裁が「3回目」の出頭要請に応じた教義的な意味合い

旧統一教会では数字を重視します。そこには神の力や霊力が働くと考えているからです。

特に「3」は大事な数字です。

たとえば、堕落した人間が神の子となるためには、「蘇生期、長成期、完成期」という、3つの段階を経ていくと教義で教えられます。余談ですが、蘇生期では「万物復帰」といって、お金の集めのための活動が信者に求められます。

韓鶴子総裁は2度の検察からの出頭要請に応じずに、3度目になってようやく自ら出頭しましたが、やはり「3」を意識した教義的意味合いを感じます。

世間一般には、3度目の出頭に応じない場合、逮捕という事態になるため、それを避けるために出頭したといわれており、それもあると思います。

もしメシヤが検察に、教団施設に踏み込まれて拘束されれば、サタンにメシヤが捕らえられたことになり、サタンより下の立場になったことを意味することになります。

それは信者の手前上、まずい事態です。

すでに、韓鶴子総裁は、完全にサタンに勝利して、堕落のなかった、本来、神が作りたかったエデンの園の時代を築いたことを宣布しています。それなのに、完全に勝利したメシヤ(サタンの侵入を受けるはずのないメシヤ)が再びサタンによって捕らえられるのは、どうにもおかしな話になってしまいます。

そこで逆に、サタンのもとに出向き、戦いを挑み、乗り込んだ形にしたのではないかと思います。

逮捕を避けるための教団らしい社会に向けたアピール

出頭した韓鶴子総裁の姿をみながら、相変わらずの教団側の姿勢をみました。

こには、いつも信者の前に出てくるような、きらびやかな服装ではなく、質素な装いで、手術をしたと伝えられましたが、病弱な高齢女性にも思えるような姿でした。メシヤとしての堂々たる姿は、そこにはありません。

ここには、逮捕されないための教団らしい社会に向けたアピールがあったように感じます。

国内の霊感商法などを通じた、長年にわたる金銭的な被害をみてもわかるように、教祖や韓国本部の指示をうけて、霊がみえないのに「悪因縁がついている」などと嘘をついて、加害行為をしてきました。しかし今も、その事実を正面から見つめず、被害は捏造であり、それどころか「自分たちは信教の自由を侵害されている、被害者である」の主張をしてデモも行っています。

ここからわかるのは、加害者の姿をみせず、被害者の顔をして、社会にアピールするのが、旧統一教会の姿です。

今回も韓鶴子総裁は車いすに乗り、数々の式典に出たような派手な衣装をまとわずに、質素な装いで、弱弱しい姿を見せながら、さも信教の自由という宗教迫害を受けている被害者であるような姿を社会に見せようとしていることを感じました。

しかし韓国の検察は逮捕状の請求をします。そして被害者のごとく振う、欺瞞性を見逃さず、裁判所は、逮捕状を発付しました。お見事です。

この記事の著者・多田文明さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 韓鶴子総裁「逮捕」で一気に吹き飛んだ“説得力”。統一教会が解散命令請求の不当性を訴えていた「拠り所」は音を立てて崩れた
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け