「主任が、部下の言動に困っており、大変な手間になっています」そんなお悩みが世界的コンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』で、この主任をフォローする具体的な方法を紹介しています。
私の部下が困っています。彼女には部下が5名いるのですが、そのうちの一人が全く言うことを聞かず、勝手なことをするし、不満を言い続けるし、大変な手間になっています。
Question

私の部下が主任で部下が5名います。彼女は主任になってまだ8ヶ月なので、あまり慣れていない状況ですが、仕事は十分こなしてくれています。ただ、部下の一人が彼女の言うことを全く聞かず、勝手なことをするし、不満を言い続けるしで大変な負担になっています。指示を無視します。ただ、無視していると言われないようにごまかしながら無視するので、非常にやりにくいと思います。考えが浅い癖に勝手なことをするので、その収拾にも手間取っています。それだけではなくて、上司に対してや、会社に対しての不満を言いまくるので、チームの雰囲気も悪くなりますし、他の4名が影響を受け始めています。もともとは頑張っているチームだったのですが、彼が本社から移ってきてからおかしくなってきました。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。状況はよくわかりました。こういうことは大変多いと思います。
主任になったばかりで経験が浅く、自信もない主任Aさんに対して、社員Bさんが足元を見て、わざと攻撃してきている状況ですね。
これは相談者さんが部下の主任Aさんを支えつつ、社員Bさんににらみを利かせる必要があります。
具体的には、主任Aさんがこのプロセスをしっかりやるようにステップごとにフォローしてあげてください。
ビジョン提示・合意 → 達成方針提示・合意 → アクション提示・合意 → タスク提示・合意 → 週次のKPI進捗確認会議での問題把握・解決 → 普段からのアクティブリスニング
このステップを踏まずして、面倒な部下に対処することはできません。「指示した」「聞いてない」「いやちゃんと伝えたはず」「そんな言い方ではわからない」といった押し問答になるだけです。
彼女に部署としてのビジョンを書いてもらい、その達成方針を書いてもらいます。これがそう簡単ではないので、パワーポイント1ページに整理してもらったものに対して数回フィードバックして仕上げます。
その上で、部署としてのアクションプランを数ページにきっちり書いてもらい、必達目標も設定します。
それを部下全員のタスクに落とします。これも、具体的に書くのは決して容易ではありません。
つまり、彼女からの指示が十分とは言いがたい、という問題もあったわけです。
しっかりと準備した後、主任が5名の部下に説明し、合意を取るミーティングに同席し、変な揚げ足取りなどが起きないようにします。
その上で、週次KPI進捗確認会議にも出席し、主任による進捗確認をサポートします。
あくまで、主任が主催の会議ですので、発言の8割は主任が、2割が上司である相談者さんがする、というふうに、あくまで重しとして同席するということに留めてください。
それでも、効果は抜群です。
そのようにして彼女の一人立ちを支え、社員Bさんをタスクできっちりしばるようにしていけば、何とか動いていくと思います。
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