高市早苗の失脚も麻生太郎の終焉もすべて必然。小林よしのり氏が語る「愛子天皇」実現へと向かう“時勢”の流れ

 

その時に皇統問題で公明党が「男系絶対」なんて言うわけがないから、あとは立民が内部の男系派の顔色をうかがって「足して2で割る」式の妥協をしたりせずに、あくまでも愛子天皇という方向に着地してくれればいい。

わしは常に愛子さまの立太子を実現するためだけに政局を考えている。その見方からすれば、このシナリオが一番早くて都合がいい。

そして今回の件で高市が失脚して、高市を推した麻生太郎の影響力がついに完全に終わるというのも、最もいいことである。

麻生も小泉進次郎を担いでいれば、進次郎はリベラルだから公明党も離脱せずにまだ寿命が続いたはずなのだが、ついにこれで命取りになってしまった。

やはり保守はリベラルを内包するものであり、愛子天皇を主張するならフェミニズムでなければいけないというくらいの感覚がわしにはある。この点に関しては、わしは自分をフェミニストとしており、上野千鶴子なんかフェミニストじゃないという感覚だ。

ナショナリズムとフェミニズムの融合点は、愛子さましかない。

そして愛子天皇の実現に向かうしかないというのも、時勢なのである。

やっぱり時勢というものには逆らえない。

時勢が自分にとって、完全に都合がいいなんてことはありえない。むしろ不都合であることの方が圧倒的に多い。でも、いくら不利でもやるしかないという事態は起こるものだ。

時代を自分の意図通りに操作できるなんて思ったら大間違いで、むしろ気がついたら時勢によってとんでもないところに突っ込んでいる可能性だってある。

しかしもうそれはやむを得ないことである。石破の「戦後80年所感」みたいに、後世の人間が「なぜあの時代にうまくやれなかったのか」なんて言ったって全く無意味だ。その時代の中で、自分がどう生きるかということを考えるしかないのである。

自分の行動をいつも設計主義的に、完璧に全くミスもなく計画通りに成し遂げるなんてことができるわけがない。

いつでも不測の事態は起きるもので、安全な道だけを歩くことなどできない。だから、もう勢いで突き進むしかないというところもある。

理想的な死に方を自分では選べないのと同じことで、いくら自分で周到に考えていたところで、絶対に思い通りにならないことは出てくる。それはもうどうしようもないことで、神様の思し召しの通りになっちゃうとしか言いようがないのだ。

その時勢に逆らって、果たすべき役割を果たさない者は愚か者である。

ましてや、自分が今の時勢の中で何もしていないにもかかわらず、過去の時代にその時勢の中で必死に生きた人々を、後世に生きているというだけで上から目線で批判し断罪する者など、愚にもつかない馬鹿だとしか言いようがない。

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その時その時に時勢をちゃんと見極めて、時勢によって自らに求められた役割を引き受けられるかどうかが、人間の価値の核心だといえるのである。

 (『小林よしのりライジング』2025年10月14日号より一部抜粋・敬称略。続きはメルマガ登録の上お楽しみください)

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