21日から始まる臨時国会で、日本初の女性首相に指名されることが確実となった高市早苗氏。保守強硬派として評される高市氏ですが、その政治信条にたどり着くまでの過程は決して平坦なものではなかったようです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では辛口評論家として知られる佐高信さんが、高市氏の経歴や思想の変遷を紐解きつつ、何が彼女を“ゴリゴリの保守”に変えたのかを考察。さらに彼女と小泉進次郎氏との「因縁」を紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:高市早苗の狭さ
高市早苗の狭さ
『現代用語の基礎知識』で鳴らした自由国民社が出していた『人物ファイル』の1992年版の「経営・経済論」の項のトップが高市である。
その項には茂木敏充や大前研一と共に私も載っている。30歳そこそこの高市の欄を引く。
元・米国連邦議会立法調査官。月に20本の講演をこなす売れっ子である。大手企業の幹部を相手に、はたまた官庁役人の勉強会に、依頼殺到だという。
著書のタイトル『アズ・ア・タックスペイヤー』(祥伝社)が示すとおり、「あなたは自分が納税者であることを忘れていませんか」と強く訴える。
ずばり、政治改革を訴える。
テレビにも、キャスターや論客として、しばしば出演。
彼女の人生を変えたのは大学卒業後に松下幸之助の松下政経塾に学んだことらしい。
1987年から渡米し、アメリカ民主党下院議員パット・シュローダーのスタッフに従事する。
趣味はバイクとドラム演奏ともあるが、スタッフとして従事したのは共和党の議員ではなく民主党の議員である。
作家の石川好とも高市は親しかったが、トランプの独裁となった共和党ではなく、民主党の議員のスタッフとなったことからも、最初はゴリゴリの保守ではなかったことがうかがえる。
しかし、ある種のマジメさが高市をどんどん狭くしていく。
弟がいる高市は、女はカネのかからない国立の大学に行けと言われて、神戸大学へ入り、奈良から通ったらしいが、多分、神戸大でも、そのころ、統一教会傘下の原理研究会は盛んに活動していただろう。
勉強すればするほど、そうしたものに惹かれる傾向のある彼女は、安倍晋三とも親しくなり、2001年に統一教会が関わる『Viewpoint』(平凡社)の対談に出ている。
まして今回は、2011年に統一教会の機関紙とも言うべき『ワシントン・タイムズ』に全面意見広告を出した麻生太郎の強力なバックアップで自民党総裁となった。
だから私は、やはり統一教会と関わりのある参政党の神谷宗幣を含めてATM連合(麻生、高市、宗幣)が動き出すのではないかと警戒している。高市総裁の誕生に一番喜んでいるのは統一教会かもしれない。
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