【予防策・防止策】
差押から逃れようとして、変な裏工作をしすぎると、ロクなことがありません。
その裏工作が裏目に出て(?)協力者に裏切られたり、妙に高い報酬を取られたり、そこまで危険を冒して裏工作をしても、それがバレたら強制執行妨害で罪に問われたり、まったく報われません。
よって、「差押を妨害する」 という考えは捨てましょう。
それよりも、腹をくくったほうがいいです。
「滞納している自分が悪いのだから、最悪、差押されても、それを潔く受け入れよう」と。
もっといいのは、当たり前ですが、滞納しないことですね。あるいは滞納しても、包み隠さず現況を話して、分納の相談をすることですね。
ちなみに、「換価の猶予」という有名な制度がありますが、これは簡単にいえば納税をしばらく猶予させてもらい、12カ月の分割払いなどにさせてもらえる制度ですが、ここでいう「換価」とは、「物品を差し押さえて、競売などでお金にかえて、納税に充てる」というような意味合いを持ちます。
よって、「換価の猶予」とは、「本来なら差押すべきだが、それを特別に猶予してやる」と解釈したほうがいいでしょう。
そのくらい、税金滞納者が差し押さえされるのは、当たり前のことなのです。
とにかく、厳しくなってきました。
もし経営者が資金不足に陥った場合、限られた資金の中で、どう支払いに充てるか?
優先順位をつけるとするならば、
1番: 人件費(誰が何て言おうと従業員給与は最優先すべし)
2番: 本業に絶対に欠かせない支払い(重要な仕入、外注など)
3番: 税金と社会保険料(2番にしたいところだが、本業が停滞しないよう)
4番: その他、臨機応変に……(借金返済もここに含まれる)
という順位になりそうです。
(まあ、この優先順位は、事業再生においては10年前も20年前も変わらないですね)
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