不満だった官僚の“模範解答”。午前3時の“赤ペン先生”高市早苗「台湾有事は存立危機」発言までの全内幕

 

中国側のコメントににじむ「対日関係の悪化」を避けたい思惑

朝日新聞の記事によると、岡田氏に対する7日の高市答弁のあと、政府内で「日本の手の内を明かす発言だ」との危機感が広がったそうである。「米国でさえ、台湾有事への対応を明言しない『あいまい戦略』を取る。歴代首相のようにぼかした言い方をするべきだった」と防衛省関係者が嘆いているのだとか。そのような声が官邸に伝わって、さすがの高市首相も強気一辺倒ではいかなくなったと見える。

高市発言について中国外務省の林剣副報道局長はこうコメントした。

「日本の政権が台湾海峡に介入を企てることは中日関係に重大な損害を与える。これ以上誤った道を進まないことを求める」

朝日新聞は「ここまで強く反発」と評するが、「これ以上誤った道を進まないことを求める」という言い方は意外にソフトだ。“休戦中”とはいえ米中貿易戦争におさまりがつかない中、日本との関係を悪化させたくない中国の思惑がこのあたりにもにじんでいる。

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image by: 首相官邸

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