捏造、冤罪、虚偽の流布。東京地検特捜部に翻弄された4人が明かす、日本最大のタブー「官報複合体=検察&巨大マスコミ」の悪辣な実態

 

弘中惇一郎~検察権力と戦い続ける「無罪請負人」

弘中弁護士は「無罪請負人」の異名を持つ日本屈指の刑事弁護人である。村木厚子氏、カルロス・ゴーン氏、小沢一郎氏。特捜部が総力を挙げて起訴した事件において、弘中さんは何度も無罪判決を勝ち取ってきた。

番組中に弘中さんは、西松建設事件(小沢事件)の構造的問題を細かく指摘しているが、代理人弁護士だったこともあって、他の誰が語るよりも説得力があった。「小沢さんは民主党のトップだった。政権交代したら検察は大改革される状況だった」というのは同感だ。ただ、当時の小沢氏が目指していたのは、検察改革ではなく、霞が関全体の大改革だったと取材をしていたジャーナリストとしては付け加えておきたい。

小沢氏が掲げたのは官僚の人事権を内閣に移すこと(内閣人事局構想)、さらに一般会計と特別会計の統合(予算の総組み換え)、つまり、霞が関にとっては「予算と人事権」という最大の利権をふたつとも取り上げられることにほかならない大改革だった。民主党はそのようなタブーに一気に切り込もうとしたのだが、当然ながら壮大な返り血を浴びることになる。

当時、検察を中核とする官報複合体との闘いは壮絶だった。検察もメディアも一斉に小沢一郎批判を開始、のみならず秘書や民主党所属の他の議員、さらには小沢一郎に近いという理由で、記者やジャーナリストまで標的となった。のちに『暴走検察』(朝日新聞出版)を著す私もそのターゲットにされた筆頭格のひとりだった。

特捜部は、2009年3月に小沢一郎の秘書ら3人をいきなり逮捕するという形で、捜査を開始した。結局、小沢一郎氏の罪は問えずに終息していくのだが、その特捜部の失敗をメディアが救う。ほとんどすべての大手メディアは徹底的な小沢バッシングを継続し、推定無罪の原則(結局不起訴)を無視して、ついには小沢氏を代表辞任にまで追い込むのだった。

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