コーディング不要の時代は来るのか
ここで生じる疑問は、「コーディングをAIに任せる時代に、必要なスキルとは何か?」です。
上の二つの記事、および、私の経験から言えば、「水を得た魚のように苦もなくコードが書ける達人」になって初めて、ソフトウェアの設計能力が身に付く、と言えますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
私はアセンブラ(機械語)からプログラミングをスタートしましたが、コンパイラやインタープリタを使ってプログラミングをする際に、アセンブラの知識が必要なことは一切ありません。
それと同様に、「コードが書けるAI」がさらに進化した結果、プログラミングを一切知らなくても良いソフトウェアを作れる時代が来る可能性は十分にあると私は感じています。今の進化のスピードを見ていると、今年あたりがその転機のようにも思えます。
問題は、良いソフトウェアに必要な設計能力を、自ら手を動かしてコードを書く経験なしにどうやって身につけるか、ですが、設計そのものをAIが人間よりも上手にやってしまう時代が来ても不思議はないし、「良い設計」の定義すら変わりつつあるとも感じています。
特に、「(自分)一人しかユーザーがいないソフトウェア」や「使い捨てソフトウェア」においては、「目的が達成できれば十分」なので、従来型の「設計の良し悪し」の基準が必ずしも適用できません。
ソフトウェア業界だけの話ではない
残念ながら、「ソフトウェア・エンジニアという職は無くなってしまうのか」とか「自分の子供には何を勉強させるべきか」などの質問に対する直接的な答えにはなっていませんが、これが現在ソフトウェア業界に起こりつつある変化であり、これを無視しては、ソフトウェア・エンジニアのキャリアや、ソフトウェア・ビジネスそのものを考えることはできません。
そして、もっと重要なことは、これがソフトウェア業界に限った話ではないという点です。人間よりも賢くなりつつあるAI、そしてそれを搭載したロボットは、ソフトウェア開発プロセスに与えているのと同じような変化を、あらゆる業界の仕事に対して起こす可能性が十分にあるのです。
(本記事は『週刊 Life is beautiful』2026年2月3日号を一部抜粋したものです。「私の目に止まった記事(中島氏によるニュース解説)」、読者質問コーナーなどメルマガ全文はご購読のうえお楽しみください。初月無料です )
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