しかし、アメリカはなかなか所得税を導入していませんでした。
アメリカ人は伝統的に税金を嫌っていたので、所得に税金をかけられることも拒んでいたのです。
そのアメリカが、なぜ1913年に所得税を創設したのかというと、当初は関税を下げるのが目的でした。
なぜ関税を下げたかったのかというと、「関税は貧富の差を広げる」ということで、世間の批判があったからです。
関税というのは輸入品に均等にかかるため、金持ちも貧乏人も輸入品を買えば払うことになります。
当時のアメリカは、衣料品などの生活必需品も輸入品に頼っていました。
だから、日常生活をしていく上では、金持ちも貧乏人も輸入に頼っていました。
貧乏人は収入に占める消費の割合が高いものです。
貯金をする余裕がありませんから、収入のほとんどが消費で消えてしまいます。
その消費の中には、輸入品も多く含まれており、その輸入品の価額には関税が含まれています。
一方、金持ちは、収入のうち消費に回すお金はごく一部です。
だから、収入における関税の負担割合も高くはありません。
つまり、「収入のほとんどを消費してしまう貧乏人ほど、関税の負担割合が高くなる」ということです。
そのため関税は貧富の差が広がるということで、関税を減らし、金持ちを中心に課せられる「所得税」を創設しようということになったのです。
この所得税の創設により、アメリカの関税は16.4%にまで引き下げられました。
アメリカの関税は建国以来、40~50%で推移していたので、革命的な関税の引き下げだったわけです。
が、この低関税は、長くは続きませんでした。
10年足らずで、もとの高関税に戻してしまったのです。
それが、世界大恐慌を引き起こす原因ともなったのです。
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