高市早苗がギリギリ回避した“最悪シナリオ”。米トランプとの会談で封じ込めた円高誘導と国債暴落の危機

 

高市政権に問われる本気度と日本経済を左右する構造改革の行方

その意味で、今度こそ高市総理には、亡くなった安倍晋三氏もできなかった産業と人材の構造改革に踏み込んでいただかなくてはなりません。例えば、軍需産業に依存するのは「落ちぶれ」なのかという議論がありますが、これは本当に「落ちぶれ」だという認識が必要です。軍需とは究極の官需であって、政治によるマーケティングに依存できます。ですが、同盟国しか対象になりませんし、同盟の仮想敵との対立エネルギーが高まることで販売が可能になるという破滅性を持っています。

さらに言えば、特定の技術が軍需のゾーンに囲い込まれると、競争原理は働かなくなり、全世界の民生品市場には行けなくなります。ですから、どう考えても民需より官需、官需より軍需というのはやはり「落ちぶれ」なのです。英語と文化がわからず、同世代の友人が少ない中で世界の若返りつつある民生品市場へのマーケティングができないし、そのリスクも取れないところに「落ちぶれた」結果だからです。

高市氏には、そこまで理解して、とにもかくにも35年間何も良いことのなかった日本経済を反転させるような発想の転換を求めたいと思います。国際市場は、見ていないようで見ています。そこに本気度を感じることができれば、日本の「投げ売り」は回避できるかもしれません。けれども、そのような本気度を見せて信用を得ることができなければ、新年度の日本経済は正念場となるように思います。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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