中南海という霊気漂う「謎の空間」
また、稲垣清『中南海/知られざる中国の中枢』(岩波新書、2015年刊)が言うように中南海は「謎の空間」とも呼ばれる深遠な静謐さの漂う空間で、私は1984年だったと思うが鄧穎超さん(周恩来夫人)の居宅・執務室を訪れた際に中に入ることが出来たが、やはり尋常でない気の流れを感じて身震いしたのだった。
中南海は12~13世紀の金朝の時代に皇帝の夏の離宮として造営が始まり、それから900年ほどの間、歴代王朝の権力中枢の血塗られた歴史を見てきた。こういう霊気立ち上る場所は米国にあるはずがなく、ここでもトランプは中国が持つ「歴史の重み」を直に体感したのではなかろうか。
そういうことも作用して、トランプはいつになく元気がなく、それどころかしょんぼりしているようにさえ見え、その結果、会談の結果は、日経新聞5月17日付で始まった連載「覇権の暗闇」第1回の見出しのように「すがるトランプ氏、突き放す習氏」という驚くべき様相を呈して終わった。
何が驚くべきか?「唯一超大国」を自認していた米国の大統領が恥も外聞もなく中国にすがりついて行ったというのに、習近平から突き放されてしまったが、その理由は中国が「この先、米国が衰弱していくと確信を持つに至ったからだ」と、同連載は言う。
これが今回の米中首脳会談の核心である。
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