映画『燃え上がる女性記者たち』が映したインド社会の変わらぬ差別構造

 

あいまいなカーストであっても、社会では厳然とその存在はゆるぎない。

結婚、職業、そして犯罪被害。

ダリトが被害者の事件に警察は動かず、その住まいに電気は通っていない。

「誰も信用できない」(ダリトの集落の男性)世の中で、ダリトの女性記者は果敢に取材し発信し、その差別を明らかにようとする。

作品はインド北部のウッタル・プラデーシュ州で、ダリトの女性たちが立ち上げた新聞社「カバル・ラハリヤ」の記者を追って、5年をかけて作られた長編のドキュメンタリーで、監督はインド出身のリントゥ・トーマスさんとスシュミト・ゴーシュさん。

2021年にサンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門の観客賞と審査員特別賞を受賞。

日本では山形国際ドキュメンタリー映画祭2021市民賞。第94回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされるなど高い評価を得ている。

新型コロナウイルスにより30万人以上が亡くなったとされるインドのコロナ後は内需中心の経済構造もあり、国全体の経済は落ち込んだ。

その中で女性の仕事が増えたとの見方と、オンラインによるビジネスの拡充で可能性が増えたとの指摘もある。

コロナ後の社会変化と人口増の継続と経済成長が見込まれる中でますます日本との関係も親密になってくる。

だからこそ、深く根差したカーストの今後を差別解消という視点で考えていきたい。カーストがあることで、差別が当然視された中ではジェンダーの議論は始まらない。

映画では、記者として活動する女性を丹念に追いながら、その女性が家庭の中では妻であり、娘であり、親である面も描く。

生活者としても自律している女性記者が、普通に仕事に従事できる未来を日本からも一緒に考えていけないだろうか。

新しいインドとのお付き合いをより良好にするために。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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