W杯イラン代表を“いじめ抜く”トランプの無知。米国がまったく理解していない「イランにおけるサッカーの意味」

 

間接的に神政政治の延命に手を貸して来たとも言える日本

そう考えると、まるで米国の影でイランと良好な関係を結んできた日本の外交が正しいとか、高市総理はハメネイ国葬に行くべきという話になりそうです。しかし、これも全く適当ではありません。全方位とか、平和外交だなどと言って、神権政治のイランから原油を確保しようと躍起になったこの45年、日本は日本で間接的に神政政治の延命に手を貸して来たのは事実だと思われるからです。

とにかく現在の事態には希望はありません。米国は長年封印してきたイランへの直接介入を、簡単に実行に移してしまいました。そのことが、僧侶たちによる神権政治を延命させることになるのです。そして、攻撃の結果として、イランの女性の尊厳は回復せず、クルド人の権利も虐げられたままです。サッカー文化も抑圧されたままなのです。

この計算ミスは、ブッシュのミスに重なってきます。ブッシュは、チェイニーに騙されてフセイン討伐をやってしまいました。その結果、バカ正直にイラクで公選の民主主義を急いだ結果、イランに近いシーア派とクルド系の連立政権という妙な政体ができてしまったのでした。この計算ミスに、今回の攻撃によって相手を結束させてしまったというミスが重なって取り返しのつかないことになっているのです。イラン情勢についてはこうした観点から考えていきたいと思います。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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