東京大によると、講座の目的は「AI倫理を単なる理念や規範として捉えるのではなく、実際の課題を踏まえて研究開発や事業設計のプロセスに組み込むために、AIガバナンスの実践的な担い手を育成すること」。
特に、責任あるAIの策定に向けた「クリティカルAIスタディーズ」を、学際的・国際的な視点から理論的・実証的に研究するという。
「クリティカルAIスタディーズ」とは、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)やAI倫理を考える前提となる人間観・社会観・価値秩序を問い直す研究分野。
この社会連携講座で提供するのは「レクチャーシリーズ」「フィールドトリップ」「ワークショップ」の3種類の予定。
レクチャーは学生やソフトバンクの社員に「正義」「創造性」「安全保障」などのテーマを通してAIの倫理的課題を多面的に学べる内容である。
AI倫理に関する課題の解決策を発見し、研究開発や事業設計、ガバナンスに実践的に生かせる人を育成するのが狙いで、まずは正しい見識を東京大やソフトバンク周辺から育てようとの戦略と思われるが、一般学生や市民に広げ、講座を経たことで
「確か」になったAIの倫理を社会と共有しブラッシュアップしていくことを望みたい。
フィールドトリップは連携する自治体に、AIを活用して地域課題の解決策を提案するもの。レクチャーシリーズやフィールドトリップ、その他のイベント参加者には、少人数のグループでAI倫理に関する課題を議論するワークショップを提供する予定もある。
林教授は「倫理的課題を遵守のためのチェックリストに還元するのではなく、従来のAI開発・実装において前提とされている既存の人間観・社会観・価値秩序そのものを問い直す」との考えで、講座は「技術の未来ではなく、人間社会の未来、AIを評価するためのプロトタイプ」に向けたものであることを強調した。
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