細分化され機能不全に陥っている二大政党の対立軸
6)グローバル経済
通商とグローバル経済については、AIの対立構図に似ています。クリントンからブッシュ、オバマの路線に忠実な「DD」と「RR」は基本的にグローバル経済推進の立場です。一方で極左と極右のDSAとMAGAは、アンチの立場です。では、DSAについては、DTのやるような過激な関税政策にも賛成しているのかというと、そこは少し違うのですが、お互いによく議論すれば一致点が見いだせるかもしれません。
7)環境
環境については、とりあえず民主党はDSAの主張をバイデン政権が丸呑みしており、これは現在も続いているようです。具体的には、温暖化理論への賛否、排出ガス抑制策への賛否ということで、二大政党で見事に分かれています。従いまして、政党のライン、つまり「DD+DSA」と「RR+MAGA」が対立していると考えられます。但し、RRの真ん中寄りには、環境対策の必要性について多少理解のある部分もないわけではありません。
8)外交と安全保障
まず大枠の「西側同盟」「NATO」「国連外交」ということでは、反対しているのは「MAGA」だけであり、残りの「RR」「DD」「DSA」はアメリカの基本姿勢に戻る志向を持っています。ただ、冷戦後に世界の警察官となって、人権外交を展開した歴史に関しては、RR+DDはコソボもアフガンも積極介入を支持していたわけです。ですが、DSAに関しては、左派的な反戦主義・厭戦主義の志向を強く持っています。左のカルチャーから来る孤立主義という言い方もできます。
では、DSAは例えば台湾海峡問題への当事者意識が弱いのか、あるいはウクライナに冷淡かというと、現時点ではこの点に関してはDDの立場とは大きくは離れてはいないと考えられます。また、権威主義的な国家に対して妥協的かというと、決してそうではないようです。ただ、右派的な軍国主義にも、左派的な人権外交の延長で武力行使をするリベラルホークにも一線を画するし、軍産共同体なるものへの反発ということでは、MAGAと似た部分もあります。
9)社会価値観について
ということで、二大政党の対立軸というのは、細分化されて機能不全になっているということが言えます。では、どうして形だけでも民主党と共和党の体制が続いているのかというと、社会価値観の問題があります。
- 妊娠中絶問題
- LGBTQ+の人権問題
- 人種差別問題+困窮移民の人道的受け入れ
- トランプ大統領に係る政策とイデオロギーへの賛否
という問題については、パーティーライン、つまり二大政党の境目が明確になっていると考えられます。
ちなみに、近年大きな社会問題になっている警察官による主として黒人男性への暴力ですが、この問題に関しては4つのグループで見解が異なります。
DDとRRは、それぞれDDはBLM支持、RRは不支持ですが、制度に関する現状維持ということでは同じです。これに対して、DSAは「警察予算のカット」を主張、反対にMAGAは「警察による粗暴な人物の無害化を全面的に合法化」という、それぞれ極端なことを言っています。そうではあるのですが、基本的に二大政党で立場が異なるというのは確かです。
ちなみに、DSAの言っていた「警察予算のカット」というのは、警察を弱体化させる無政府主義というのではありません。例えばDVや発達障害が絡んだトラブル事例に警官を急行させると、特に白人警官が黒人男性の「語気の強さ」が全く分からず、体格が大きいと恐怖を抱いて殺害してしまうケースが問題になっているわけです。元々のアイディアとしては、DVや発達障害については、警官ではなく専門家であるカウンセラーを派遣する、だからその予算が必要で、警察予算から回せという話でした。
ですから、説得力はあるのですが、あまりに不人気のためこの「警察予算カット」という主張についてDSAは取り下げつつあります。基本的には悪手だと思うのですが、もしかしたら現実主義に寄せるように成熟したという評価ができるのかもしれません。
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