トランプついに弾劾か?中間選挙「民主党の上院勝利」と「共和党から相当数の造反」で“裸の王様”に下される審判

 

初のイスラム教徒の上院議員が誕生か。ミシガン州

4.ミシガン州:エルサイード(民)対ロジャーズ(共)、新人どうし

予測:エルサイードの僅差勝利(確度は中程度)

民主党のゲーリー・ピーターズ上院議員の引退に伴う空席選挙です。共和党は、元下院情報委員長で元連邦捜査局捜査官のマイク・ロジャーズ氏を立てました。同氏は4年前の2024年の上院選で、民主党のエリッサ・スロトキン氏に約1万9,000票という僅差で敗れています。今回はトランプ氏の支持もあって共和党予備選に対立候補がおらず、早くから資金と組織を本選挙に集中できました。

民主党予備選(8月4日)は、党内の進歩派と中道派の全面対決となりました。元デトロイト市保健局長のアブドゥル・エルサイード氏は、バーニー・サンダース上院議員の支持を受け、政治とお金の切り離しや国民皆保険(メディケア・フォー・オール)を訴えました。これに対し、党主流派は中道派のヘイリー・スティーブンス下院議員を推しました。結果は約1万5,000票差という大接戦で、翌朝まで当選が決まりませんでした。

エルサイード氏は、自分への外部支出による攻撃が約7,000万ドルに上ったとして、それを覆した勝利だと誇っています。スティーブンス氏は敗北を認めてエルサイード氏支持を表明しました。

争点は、イラン戦争とイスラエルを含む中東政策、カナダへの関税による物価高、そして医療です。ロジャーズ氏はエルサイード氏を「過激派」と呈び、支持者の配信者ハサン・パイカー氏の過去の発言を持ち出して攻撃しています。エルサイード氏はロジャーズ氏を不人気なトランプ政権と一体だと訴え、討論から逃げる「マイク・ドジャーズ」と揶揄してきました。

当選すればエルサイード氏は初のイスラム教徒の上院議員となり、約30万人のアラブ系住民の動向も注目されます。ただ、このエルサイードという人物は、学生時代にはアメフトの有力選手でしたし、コロンビアの医科大学院の出身であるなど、イスラム系の異端というより、アメリカの本流エリートという性格も持ち合わせています。

10月8日にグランドラピッズで開かれた第1回討論会は、個人攻撃の応酬に終始しました。司会者が「30年間でCM中にも口論が続いたのは初めて」と漏らすほどでした。何しろ、ロジャース氏は、医学研究博士であるエルサイード氏を「臨床医ではないから、診察したらニセ医者になる」などという、子供のダダコネのような中傷を行っていたのです。第2回は10月21日にデトロイトで予定されています。

世論調査はエルサイード氏の小幅リードです。10月のミッチェル・リサーチは46%対41%、ギャニット(共和党系)は48%対43%です。一方、ユーガブは49%対48%、クアンタスは48%対47%とほぼ互角で、9月末には同率の調査もありました。平均すると約3ポイント差です。

全体の追い風を考えればエルサイード氏が小幅に有利と予測します。ただしロジャーズ氏は2024年に調査以上の健闘を見せた実績があり、進歩派候補に対する穏健層の警戒感も残ります。民主党が守る2席のうち、失う危険がより大きいのはこちらです。反対に、ここでエルサイード氏が勝つと、党内左派の勢いには大きな追い風になると思います。

また中東情勢の変化が影響する構図もあります。例えばですが、原理主義(フーシ派、イラン革命防衛軍など)による激しいテロ事件などが起きると、エルサイード氏への反発が強まる危険もあります。

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